江戸時代の 朝鮮通信使と 日本文学
朴贊基(パク チャンギ) 著 A5判上製・282頁 本体
3,200円+税 ISBN978-4-653-03965-5
江戸時代、日本を訪れた朝鮮通信使と彼らをめぐる出来事は、歌舞伎・浄瑠璃など様々な形で日本文学の中に取り入れられた。本書では、朝鮮通信使訪日の記録から、当時の文化交流の実態をたどりつつ、崔天宗(さいてんそう)殺害事件に取材した「唐人殺し」作品群を中心に、朝鮮通信使に取材した文学作品の特色と変遷、その背景を明らかにする。 韓国学術院2003年度選定の優秀図書『朝鮮通信使と日本近世文学』を、著者自身の手で日本語に翻訳・増補。韓国側からの視点を知る上でも意義ある一冊。
崔天宗(さいてんそう)殺害事件・・・明和元年(1764年)対馬藩の通詞・鈴木伝蔵が朝鮮通信使の一員であった崔天宗を大坂で殺害した事件。事件後、これを脚色した歌舞伎や浄瑠璃が数多く上演された。
【内容(目次)】
T章 日本文学に見る朝鮮通信使
朝鮮学士の日記・紀行文に見る朝鮮通信使の旅/森鷗外「佐橋甚五郎」に見る朝鮮通信使の中の日本人/黒本『朝鮮人行烈』に見る朝鮮通信使/古浄瑠璃『朝鮮太平記』に見る朝鮮通信使/「隠里」の世界/『航海献酬録』による筆談・交歓の様子
U章 「唐人殺し」の世界と朝鮮通信使
崔天宗殺害事件と「唐人殺し」/歌舞伎「唐人殺し」の世界/浄瑠璃「唐人殺し」の世界/実録写本「唐人殺し」の世界/『和漢料理包丁蜜記』、『朝鮮来聘 宝暦物語』と「唐人殺し」
結び・江戸時代の朝鮮通信使と日本文学
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