梶山雄一仏教哲学論集 〈普及版〉
Y. KAJIYAMA; STUDIES in BUDDHIST
PHILOSOPHY
(Selected Papers)
B5判・並製・本文502頁・著作目録7頁・索引22頁
税込9,900円(本体9,000円+税)
ISBN4-653-03954-2【2005年6月刊】
難解な空思想を多方面から考察し、大乗仏教の中心思想の解明に迫る、仏教思想研究の泰斗梶山雄一博士の珠玉の欧文論集。全欧文論文21篇にサンスクリット索引を付す。
斯界の要望に応え89年の初版に補訂を加え普及版として復刊。
―刊行にあたって―
梶山雄一先生(京都大学名誉教授)は2004年3月29日未明に79才でお亡くなりになった。鋭い切り口で仏教学の諸問題に取り組まれ、明晰な論考で多くの未開拓な分野を明らかにされ、今後益々の研究成果が期待されたが、病魔のためについに帰らぬ人となってしまわれたのは誠に残念でならない。虚心にご研究に打ち込まれていた在りし日の先生のお姿を偲びつつここにご冥福を心よりお祈りする次第である。
本書 "Y. Kajiyama, Studies in Buddhist Philosophy (Selected Papers)"
は先生の京都大学ご退官(1988)を記念して、先生の21篇の欧文論文を収録し、サンスクリットの索引を付して門下生によって編集されたものである(1989
年臨川書店刊)。先生のご研究分野はインド大乗仏教思想史を中心として仏教哲学の諸分野に及んでいるが、特に力を傾注された主題として、(1)中観思想研究、(2)般若経を中心とした大乗経典の研究、(3)仏教論理学と認識論の研究、(4)仏教諸学派の思想的立場の分析、(5)インド仏教思想を基盤とした中国並びに日本仏教思想の解明、などを挙げることが出来る。これらの領域に於ける30年余に渡る先生のご研究がこの一冊の中に集約されているのである。
本書は絶版になって久しく再版を望む声が高かったが、ここに先生の一周忌の機会にごく僅かの改訂を加えて再版の運びになったのは誠に喜ばしい。さらに、本書の続編(1989
年以降の欧文論文の集成)の刊行もやはり臨川書店により近日計画されていることを付記しておきたい。
京都大学文学研究科教授 御牧克己
|