唐代の禅僧 第2巻
神会 じんね -敦煌文献と初期の禅宗史
小川 隆 著 ■四六判上製・260頁 品 切 ISBN
978-4-653-03992-1
- 無住の処に「知」を立つ -
敦煌文献の発見とともによみがえった初期禅宗の世界、その中でひときわ異彩を放っていたのが神会。慧能を六祖とする伝法系譜、坐禅を不要とし日常の営為を是とする禅思想。そうした中国禅の基調を最初に提示したのが、神会その人であった。「北宗」に始まり、神会をへて、馬祖禅にいたる唐代禅宗の形成過程、それを豊富な原典資料の訳読によって活き活きと描き出す、意欲的な初期禅宗の思想通史!
【 目次 】 第1章 南宗と北宗 神会の「北宗」批判T 滑台の宗論と『菩提達磨南宗定是非論』/普寂と嵩山/ふたたび『菩提達磨南宗定是非論』 第2章 頓と漸 神会の「北宗」批判U 「北宗」の禅法への批判/『楞伽師資記』と「北宗」の禅法
第3章 神会の思想 神会の仏法説/神会の思想(1) 無相なる本性/神会の思想(2)
本性の無相を損なわぬこと 神会の思想(3)
本性における無相の自覚
第4章 神会の晩年および没後
神会の略歴/神会没後の南北両宗/牛頭宗の系譜/宗密と「荷沢宗」の系譜
第5章 神会の禅から馬祖の禅へ 保唐寺無住と『歴代法宝記』/馬祖禅の時代
●小川 隆(おがわ・たかし)/駒澤大学総合教育研究部教授
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