増補 中世寺院と民衆
井原 今朝男
著(国立歴史民俗博物館教授)
四六判上製・368頁(旧版312頁から56頁増加)/税込3,960円(本体3,600円+税)
ISBN978-4-653-04036-1【2009年1月刊】
【好評発売中】【重版出来】
戦争、飢饉、疫病が人々を絶え間なく襲った中世、寺院はどのような場として存在したのか。 鎌倉新仏教の各教祖や教義、また権門寺院中心の研究に限られていた従来の中世仏教像を見直し、宗派・学派・規模の違いを越えた「中世寺院」のありのままの姿を探る。
多様な中世寺院の世界を紹介し好評を博した2004年刊『中世寺院と民衆』に加筆、中世寺院の国際性と外交僧の活躍、呪術や技術に関する新章を加えた充実の増補版。
【目次】※は増補版で新たに執筆された部分です はじめに
第1章 中世寺院の置かれた社会 中世社会の時代的特質/中世の呪術と神仏崇拝
第2章 中世寺院の多様性と階層性
たった一人の中世寺院/荘内寺社と郡内寺社/一国レベルの寺院/国家公権の寺社
第3章 権門寺院の護国主義と万民豊楽 中世寺院での国家儀礼/仏教儀礼の連鎖構造/民衆統合儀礼としての太元帥法
第4章 中世寺院の国際性と外交僧 ※ 宋国唐僧による地方寺院の大般若経書写事業/遣明正使の天与清啓と勘合内裏船の龍首座 /中世寺院の朝鮮貿易
第5章 中世寺院による技術と呪術の組織化と革新 ※ 寺中・寺辺・散所への職人集団の組織化/弁財天の秘法にみる土木建築技術・呪術の革新と社 会差別/天皇の玉体不可侵と針医療への抑圧
第6章 中世寺院による民衆統合 全国共通の年中行事と大般若経/中世仏教による芸能・音楽感覚の均一化/ 中世社会の養生観・死生観
第7章 祈祷・呪術を否定する中世仏教 もうひとつの中世仏教/中世民衆の呪詛・神罰との闘い/世俗化した中世寺院
むすびに―中世仏教の到達点
あとがき
増補版あとがき ※
|