ヴァイシェーシカ・スートラ -古代インドの分析主義的実在論哲学
宮元啓一
訳・註 カナーダ編・チャンドーラナンダ註 四六判上製・264ページ 税込2,860円(本体2,600円+税) ISBN978-4-653-04037-8【2009年8月刊】
初めてのインド実在論哲学書現代語訳註!
古代インド哲学ヴァイシェーシカ学派の根本教典『ヴァイシェーシカ・スートラ』を、現存最古の註釈書を元にインド哲学研究の第一人者が読み解く。難解とされてきた『ヴァイシェーシカ・スートラ』を、最古の註釈書、チャンドラーナンダの解釈によって、スートラの全編を理解しようと試みる。随所に訳者註釈を加え、これまで紹介される機会がなかったインドの実在論哲学書の、初めての現代語訳註が完成!
【収録内容】
はじめに
第一章 第一日課 論の目的/実体の列挙/性質の列挙/運動の列挙/実体・性質・運動の共通性 実体・性質・運動の非共通性 (実体の定義)(性質の定義)(運動の定義) 第二日課 因果関係/普遍と特殊/普遍(有性)/普遍かつ特殊/究極の特殊/有性 実体性/性質性/運動性/有性は一つ
第二章 第一日課 地の性質/水の性質/火の性質/風の性質/虚空の性質/流動性 風をめぐる議論/虚空をめぐる議論 第二日課 水に熱が造られることはない/時間/空間 音声をめぐる議論 疑惑論 音声とは 音声が性質であることの議論 音声は有るものではない
音声は無常である 音声常住論者との議論
第三章 第一日課 推論による自己の存在証明 第二日課 意/自己/自己をめぐる議論/自己の一・多問題
第四章 第一日課 常住・無常と認識・非認識/知覚成立の条件 第二日課 身体を造るもの/陰門より生ずるのではない身体
第五章 第一日課 身体および身体に結びついたものの運動 第二日課 元素の運動/地の運動/水の運動/火と風の運動 意の運動 ヨーガ 輪廻 解脱 闇黒あるいは無知 空間・時間 虚空は無運動
第六章 第一日課 ヴェーダと最高神/布施と生天/窮迫時法/他殺と自殺 第二日課 生天をもたらす功徳/偽りと偽らないこと/清浄と不浄/至福をもたらす功徳
第七章 第一日課 性質/原因の性質にもとづく性質と燃焼より生ずる性質/量 第二日課 数と別異性/結合と分離/音声(語)はもの(意味対象)と結びつかない かなた性とこなた性/内属
第八章 知覚/もの(artha)/感官
第九章 非有(無)/ヨーガ行者の知覚/推論/想起/夢/無知/明知 聖仙と成就者の知識 二八
第一〇章 楽と苦/惑と決定/結果についての知識/原因についての知識 生天をもたらすもの/聖典の権威の根拠
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