近世異国趣味美術の史的研究
平成23年度 第23回國華賞受賞
勝盛典子 著
B5判上製・カラー図版90頁・本文468頁・索引34頁
税込18,700円(本体17,000円+税)
ISBN978-4-653-04039-2【2011年3月刊】
近世美術史における対外文化交流の実態を解明
日本で製作された異国趣味美術品をテーマに、舶載蘭書調査と顔料の科学的分析を主軸手法として、18〜19世紀の美術史上における対外文化交流の実態を明らかにする。異国趣味美術といえば昭和初期に蒐集された池長孟コレクション(神戸市立博物館所蔵)が有名だが、本書の研究対象はそれにとどまらない。
広汎な歴史的背景をおさえ、専門分野を横断する多様な作品群を網羅した、緻密かつ画期的な一冊。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 第一部 洋風画研究序説
第1章 木村蒹葭堂と舶載蘭書
第2章 輸入顔料プルシアンブルーの受容
第二部 蘭学と洋風画─石川大浪をめぐって─
第1章 石川大浪・孟高の伝記と画業
第2章 石川大浪と山村才助
第3章 石川大浪と歌川国芳
第三部 亜欧堂田善の蘭書受容
第1章 亜欧堂田善と蘭書
第2章 亜欧堂田善鐫「コロンブス謁見図」をめぐって
第四部 長崎の洋風画再考
第1章 若杉五十八研究
第2章 荒木如元にみる長崎の洋風画
第五部 近世工芸資料にみる異国趣味
第1章 近世後期の輸出漆器─笹屋研究のために─
第2章 青貝屋の阿蘭陀商売
第3章 十九世紀の輸出漆器
第4章 『御用唐木細工雛形』にみる近世後期長崎の工芸
補 論 池長コレクション研究のために─池長孟と牧野富太郎─
資料編 青貝屋関係文書翻刻/『御用唐木細工雛形』翻刻
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●著者:
勝盛典子 かつもり・のりこ
神戸市立博物館学芸員
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