調(しらべ)と都市 ―能の物語と近代化
小野芳朗 著 四六判上製・280ページ 税込2,860円(本体2,600円+税) ISBN978-4-653-04047-7【2010年11月刊】
能を救おうとした男、 東雲能、辻能一座の漂流…
都市形成史、環境史の研究者で、能役者でもある著者が独自の視点と知見で描き出す、能をとりまく人々と都市の物語。 幕末から明治にかけての変動の時代、能役者だけにとどまらず、藩主として、
官吏として、学者として、文人として、さまざまな形で能とかかわりをもった人々の人生を、能の調(しらべ)の織りなす空間の変遷とともに明らかにする。知的好奇心を満たす一冊。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 第1章 物語と歴史 能役者の明治/オペラの発見/能の近代化
第2章 空間の共有 能役者の日常/江戸藩邸の舞台空間/池田綱政の能空間
第3章 連鎖と記憶 明治四年・伊予松山城/東雲神社/松山藩の能興行/流転の能役者/ 池内信嘉と高濱虚子/辻能―鏡花と虚子の記憶
終章 都市の記憶 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●著者:小野芳朗 おのよしろう 京都工芸繊維大学
建築造形学 教授 都市形成史、環境史/能楽師範 『水の環境史 -京の名水はなぜ失われたのか』(2001・PHP新書) など
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