狩野探幽
御用絵師の肖像 第13回徳川賞受賞
榊原悟著
A5判・上製・紙カバー装・832頁
税込8,250円(本体7,500円+税)
ISBN978-4-653-04085-9【2014年6月刊】
天下一の幕府御用絵師、狩野探幽の人生と画業
江戸時代の狩野派を代表する絵師、狩野探幽(慶長7(1602)〜延宝2(1674))の評伝。17世紀画壇に多大な影響を与えながら、長く低い評価にさらされてきた狩野探幽が、近年再評価されている。名家に早熟の天才として生まれ、当時を代表する御用絵師として、また一門のトップとして生きた探幽の画才のありよう、職業人としてのありよう、そして人間としてのありように、さまざまな作品と資料にもとづいた鋭い分析で迫る。
<目次>
はじめに―『狩野探幽画像』をめぐって
第1章 巨匠誕生
第2章 神童伝説
第3章 探幽の時代
第4章 桃山から江戸へ
第5章 上洛殿障壁画の制作
第6章 探幽様の確立
第7章 御用絵師の仕事
第8章 権力の顕彰
第9章 肖像画家探幽
第10章 寵童癖・男色趣味
第11章 交友抄
第12章 『松平大和守日記』より
第13章 最初の美術研究家
第14章 探幽の眼
第15章 承応度・内裏障壁画制作
第16章 探幽家の台所事情
第17章 探幽様尊重
第18章 探幽様継承
第19章 作品を鑑る―人物画の世界
むすびに―巨星墜つ
付録:江戸幕府歴代将軍画像の制作―御用絵師の仕事―
探幽年譜
引用図版一覧
あとがき
●著者
榊原悟(さかきばら・さとる)
岡崎市美術博物館長。元サントリー美術館主席学芸員、元群馬県立女子大学教授。屏風絵(日本絵画)専攻。
著書に『屏風絵の景色を歩く』(新潮社)、『日本絵画のあそび』・『江戸の絵を愉しむ 視覚のトリック』(岩波新書)、『美の架け橋 異国に遣わされた屏風たち』(ぺりかん社)など。
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