越境するコモンズ
資源共有の思想をまなぶ
秋道智彌著
A5判・上製・紙カバー装・帯付・総568頁
税込9,350円(本体8,500円+税)
ISBN978-4-653-04116-0【2016年7月刊】
コモンズを通して地球史を見つめつづけてきた著者の最新成果にして集大成!
地域を越えて、自然・文化の二元論を越えて――人類が築いてきた(あるいは失ってきた)共有のあり方とその変遷を、豊富な図表・写真とともに解説。震災後を視野にいれた新しい地球像・文明論を提言する。
<目次>
序 章 コモンズとなわばりの思想
コモンズ論の地平 なわばり論の地平 コモンズの思想 自然と文化を超えて
存在論とコモンズ論
第1章 資源とコモンズ
資源とは何か 資源利用の多様性 資源とアクセス権 コモンズ論の展開
アクセス権の動態と変容
第2章 保有となわばり
東南アジアの森と交易 中国雲南省の森林と国家
サゴヤシ林の保有 サンゴ礁のなわばり
海の保有と統合
第3章 自然とカミの世界
山の神と人間 送りの儀礼とカミの世界 生き物の霊性と仏性 海と森のカミ
世界遺産と聖域
第4章 震災復興とコモンズ
復興コモンズ 海の共同利用 海は誰のものか 津波の教訓と記憶
地域と地球をつなぐ
第5章 コモンズと循環
生態系サービス論を超えて 森と海をつなぐ循環 シジミと循環 干潟と藻場
循環とコモンズ
第6章 コモンズと歴史
文明と生態史観 海の文明とコモンズ 大地と文明 水とコモンズ
食とコモンズ
結論 地球時代のコモンズ
註・文献・索引
●著者
秋道智彌(あきみち ともや) 総合地球環境学研究所名誉教授、山梨県立富士山世界遺産センター所長。『なわばりの文化史』(小学館、1995年)、『コモンズの人類学』(人文書院、2004年)、『コモンズの地球史』(岩波書店、2010年)、『漁撈の民族誌』(昭和堂、2013年)、(編著)『海に生きる』(東京大学出版会、2013年)、『日本のコモンズ思想』(岩波書店、2014年)など
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