アラブのなりわい生態系 全10巻
縄田浩志責任編集 (秋田大学国際資源学部教授)
46判上製・各270〜330ページ
定価 各税込3,960円(本体3,600円+税)
総合地球環境学研究所プロジェクト 「アラブ社会におけるなりわい生態系の研究―ポスト石油時代に向けて」 の研究成果を書籍化! 西アジア・北アフリカの乾燥地で人々の生産活動と自然との関わり(なりわい生態系)はどのように展開してきたのか。各分野の第一人者が一堂に会し、1000年以上にわたり受け継がれてきた「なりわい生態系」の叡智の奥深さと、未来への課題を明らかにする。
第1巻『自然と人間の相互作用環』 縄田浩志編
【好評刊行中】
第2巻 『ナツメヤシ』 石山 俊・縄田浩志編
ISBN978-4-653-04212-9
序 章 ナツメヤシと沙漠のなりわい(縄田浩志/石山俊)
第1章 ナツメヤシ栽培化の歴史(縄田浩志)
第2章 古代エジプトにおけるナツメヤシ ―建築材料を中心に(西本真一/西本直子/安岡義文)
*コラム1 中東の美術工芸品に見られるナツメヤシ意匠(真道洋子)
第3章 エジプトのナツメヤシとデーツ―イスラーム時代の歴史史料から見るその利用の諸相(尾崎貴久子)
第4章 イスラームとナツメヤシ(ハーフィズ・ムハンマドファトヒー・クーラ/縄田浩志)
第5章 イスラーム世界におけるカナートの比較研究(小堀巌)
*コラム2 サハラ沙漠のオアシス、イン・ベルベル研究の回顧と展望―小堀巌先生を偲んで(縄田浩志)
第6章 サハラ・オアシスのナツメヤシ栽培品種にみる農業生物多様性(アブドゥルラフマーン・ベン・ハリーファ)
第7章 変容するサハラ・オアシスのなりわいと生活(石山俊/アブドゥルラフマーン・ベン・ハリーファ/縄田浩志/小堀巌/ムハンマドアッサーリフ・フーティイヤ/ワシーラ・ベン・スリーマーン/アフマドアルハーッジ・ハンマーディー)
*コラム3 食べ物としてのナツメヤシ(石山俊)
第8章 アラブ首長国連邦におけるナツメヤシ文化(鷹木恵子)
終 章 オアシスの未来に向けて(石山俊)
*コメント(佐藤洋一郎)
【好評刊行中】
第3巻 『マングローブ』 中村 亮・縄田浩志編
ISBN978-4-653-04213-6
序 章 乾燥地マングローブへの視点(縄田浩志/中村亮)
第1章 マングローブの古生物学(向後元彦/向後紀代美)
第2章 マングローブの適応戦略(中島敦司)
第3章 マングローブの生理特性(松尾菜緒子)
*コラム1 マングローブ調査紀行「地味・でも・楽しい」(吉森一道)
第4章 ヒルギダマシ林の分布動態とヒトコブラクダによる摂食行動(縄田浩志/多仁健人/アブドゥルアズィーズ・カラマッラー・ジャイバッラー/アブドゥルムニーム・カラマッラー・ジャイバッラー/アドゥルガーディル・バダウィー・ムハンマド/星野仏方)
第5章 スワヒリ海岸のマングローブの利用と歴史的役割―タンザニア南部キルワ島の事例より(中村亮)
第6章 アラビア半島オマーン湾・ペルシア湾沿岸部とマングローブ―インド洋海域における交換が支えるアラブ社会の住空間(鈴木英明)
*コラム2 沙漠の海の魚つき林(中村亮)
第7章 カタールでのマングローブの植林技法と森の保護(須田清治)
第8章 アラビアの海辺で(宮本千晴)
第9章 マングローブのパイオニアワーク(向後元彦)
終 章 マングローブと海辺の生活基盤の回復(中村亮・縄田浩志)
*コメント(山田勇/草野孝久)
【好評刊行中】
第4巻 『外来植物メスキート』 星野仏方・縄田浩志編
ISBN978-4-653-04214-3
序 章 砂漠化対処の「負の遺産」にどう立ち向かうか(縄田浩志)
第1章 メスキート等のアレロパシーの強い植物の研究とそのリスク(藤井義晴)
第2章 スーダンにおけるメスキートの問題点(アブドゥルジャッバール・T・バービクル)
第3章 メスキートの成長特性と生理生態(依田清胤)
第4章 メスキートの地下水吸水(安田裕/ムハンマド・アブドゥルバーシト・ムハンアドアフマド)
*コラム1 砂丘固定の喜びとメスキートだらけの悩み(星野仏方)
第5章 メスキートの分布拡散(星野仏方)
第6章 メスキートの利用―木炭を中心として(縄田浩志/古賀直樹/アブドゥルワドゥード・A・アルハリーファ/アフマド・アルドゥーマ)
*コラム2 反すう動物の栄養戦略とメスキート(坂田隆)
第7章 ヒトコブラクダの季節的な放牧パターンとヒルギマダシ、塩生植物、メスキートの摂食行動(縄田浩志/多仁健人/アブドゥルアズィーズ・カラマッラー・ジャイバッラー/アブドゥルムニーム・カラマッラー・ジャイバッラー/アドゥルガーディル・バダウィー・ムハンマド/星野仏方)
終章 メスキートの統合的管理法を求めて(縄田浩志)
*コメント(田中樹/平田篤央)
【好評刊行中】
第5巻『サンゴ礁』 西本真一・縄田浩志編 ISBN978-4-653-04215-0
序 章 乾燥地のサンゴ礁とサンゴ利用(縄田浩志/西本真一)
第1章 紅海沿岸地域におけるイスラーム時代の諸遺跡:サンゴ造りの港市(川床睦夫/真道洋子)
第2章 サンゴ造建築構法(西本真一/安岡義文/安岡 彩)
第3章 サンゴ造建築の保存修復技術(西本真一/縄田浩志)
第4章 紅海産黒サンゴの生態・採取・加工:イスラームの数珠がつなぐ自然と文化(縄田浩志/ハーフィズ・ムハンマドファトヒー・クーラ) 第5章 ペルシア湾の真珠:海からの贈り物(向後紀代美)
第6章 サンゴ礁地形と潮汐条件との関係から見た隆起サンゴ礁島へのアクセスと資源利用の形態(縄田浩志)
第7章 乾燥地のサンゴ海をめぐる資源の利用と管理:スーダン紅海沿岸ドンゴナーブ村の漁撈文化(中村 亮/アーディル・ムハンマド・サーリフ)
*コメント1 サンゴ利用の地球史に向けて(秋道智彌)
終 章 なりわい生態系としてのサンゴ礁:棲み込み連鎖の一員としての人間をめぐって(縄田浩志)
あとがき(西本真一/縄田浩志)
第6巻 『ヒトコブラクダ』 坂田隆・縄田浩志編
【好評刊行中】
第7巻 『ジュゴン』 市川光太郎・縄田浩志編
ISBN978-4-653-04217-4
序 章 ジュゴン―漁民との共存の道(市川光太郎/縄田浩志)
第1章 ジュゴンの基礎情報(岸 昭/市川光太郎)
*コラム1 テチス海の海辺を舞台とした水生哺乳類の進化―エジプト西部沙漠で思いをはせる(縄田浩志)
第2章 鳴き声からみるジュゴンの生態(市川光太郎)
第3章 人もジュゴンも―紅海と沖縄でのジュゴン生息調査から(岸 昭)
*コラム2 八重山におけるジュゴンとその伝説(荒井修亮)
*コラム3 乾燥熱帯沿岸域におけるジュゴン利用の歴史と命名のヴァリエーション(縄田浩志)
第4章 海洋哺乳動物名にみる家畜観―ジュゴンは「海の成雌ウシ」、イルカは「海の成雌ラクダ」(縄田浩志)
第5章 紅海西岸ドンゴナーブ湾におけるジュゴンのバイオロギング研究の可能性(市川光太郎/バドゥルッディーン・ハラファッラー・アーダム/アーディル・ムハンマド・サーリフ/荒井修亮)
第6章 漁師とジュゴンの共存をめざして―スーダン紅海北部ドンゴナーブ湾海洋保護区のジュゴン混獲問題(アーディル・ムハンマド・サーリフ/中村亮)
*コラム4 ドンゴナーブ湾におけるジュゴンの混獲事例報告(市川光太郎/中村亮)
第7章 スーダンにおける海草藻場と沿岸開発の影響について(アブドゥルムニーム・カラマッラー・ジャイバッラー)(市川光太郎訳)
*コラム5 アラブの秘宝館―カーイト・バーイ要塞の海洋生物博物館におけるジュゴン展示(縄田浩志)
第8章 紅海におけるジュゴン保護策の策定にむけて(岸昭/市川光太郎)
*コメント1 海産哺乳類の保護を目指した文理融合型研究の試み(岸上伸啓)
*コメント2 文明と科学を跨越する若手研究者たちへのオマージュ(大野照文)
終 章 ジュゴンとなりわい生態系―沿岸域の環境影響評価の視点から(縄田浩志/市川光太郎)
第8巻 『モロコシとトウジンビエ』 縄田浩志・石本雄大編
第9巻 『篤農家と地域社会』 中村亮・縄田浩志編
第10巻 『現生人類はキーストーン種か?』 縄田浩志著
【執筆者】 ※ 既刊分のみ。◎は編者 / 機関五十音順(国内・国外別 所属は刊行時点のものです。)
◎縄田 浩志(なわた ひろし) 秋田大学国際資源学部教授/文化人類学、社会生態学、乾燥地研究。
平田 篤央(ひらた あつお) 朝日新聞GLOBE記者
坂田 隆(さかた たかし) 石巻専修大学学長・理工学部教授/比較栄養生理学。
依田 清胤(よだ きよつぐ) 石巻専修大学理工学部教授/植物形態学、樹木生理生態学。 川床 睦夫(かわとこ むつお) イスラーム考古学研究所所長/イスラーム考古学、イスラーム文化史。
鷹木 恵子(たかき けいこ) 桜美林大学人文学系教授/文化人類学。
吉森 一道(よしもり いちどう) 岡山大学大学院環境生命科学研究科博士後期課程/森林生態学。
大野 照文(おおの てるふみ) 京都大学総合博物館館長/古生物学。
荒井 修亮(あらい のぶあき) 京都大学フィールド科学教育研究センター教授/水圏生物情報学。
市川 光太郎(いちかわ こうたろう) 京都大学フィールド科学教育研究センター特定研究員/生物音響学。 山田 勇(やまだ いさむ) 京都大学名誉教授/熱帯地域研究。
佐藤 洋一郎(さとう よういちろう)京都産業大学教授・総合地球環境学研究所名誉教授/植物遺伝学 *当社刊『ユーラシア農耕史』監修
古賀 直樹(こが なおき) 国際耕種株式会社主任研究員/農学・草地学。
小堀 巌(こぼり いわお) 元国際連合大学上席学術顧問/地理学。*2010年没。
岸上 伸啓(きしがみ のぶひろ)国立民族学博物館研究戦略センター教授/文化人類学、北方先住民研究。*当社フィールドワーク選書『クジラとともに生きる』著者
西本 真一(にしもと しんいち)サイバー大学世界遺産学部客員教授/建築史。
草野 孝久(くさの たかひさ) 女子栄養大学客員教授/村落開発論、保全管理論。
岸 昭(きし あきら)新日本環境調査株式会社代表取締役社長/水産海洋学。 秋道 智彌(あきみち ともや) 総合地球環境学研究所名誉教授/生態人類学
田中 樹(たなか うえる) 総合地球環境学研究所准教授/境界農学、土壌学、地域開発論。
◎石山 俊(いしやま しゅん) 総合地球環境学研究所プロジェクト研究員/文化人類学、環境人類学、開発人類学、アフロ・ユーラシア乾燥地域研究。
◎中村 亮(なかむら りょう) 福井県里山里海湖研究所研究員/文化人類学、環境人類学、インド洋西海域世界海村文化の比較研究。
ハーフィズ・ムハンマドファトヒー・クーラ 総合地球環境学研究所プロジェクト研究推進支援員/考古学。
藤井 義晴(ふじい よしはる) 東京農工大学大学院国際環境農学専攻国際生物資源学研究室教授/作物・雑草学、化学生態学(アレロパシー)、天然物有機化学。
安田 裕(やすだ ひろし) 鳥取大学乾燥地研究センター気候・水資源部門准教授/水文学。
尾崎 貴久子(おざき きくこ) 防衛大学校総合教育学群外国語教育室准教授/中世イスラーム食生活史、イスラーム医療史。
須田 清治(すだ せいじ) マングローブ植林行動計画代表/マングローブ植林。
向後 元彦(こうご もとひこ) マングローブ植林行動計画相談役/マングローブ学。
向後 紀代美(こうご きよみ) マングローブ植林行動計画研究員/地理学、環境学、ジェンダー論。
宮本 千晴(みやもと ちはる) マングローブ植林行動計画研究員/マングローブの保全・修復・植林。
松尾 菜緒子(まつお なおこ) 三重大学大学院生物資源学研究科講師/森林生態学。
西本 真一(にしもと しんいち) 武蔵野大学環境学部環境学科非常勤講師・サイバー大学世界遺産学部客員教授/建築史。
西本 直子(にしもと なおこ) 武蔵野大学環境学部環境学科非常勤講師/古代家具・木工史研究、建築意匠設計。
◎星野 仏方(ほしの ぶほう) 酪農学園大学農食環境学群環境共生学類教授/リモートセンシング・地理情報システム(GIS)及び資源保全学。
多仁 健人(たに けんと) 酪農学園大学大学院酪農学研究科修士課程修了/環境リモートセンシング、農学。
中島 敦司(なかしま あつし) 和歌山大学システム工学部環境システム学科教授/植物生理生態学。
真道 洋子(しんどう ようこ) 早稲田大学イスラーム地域研究機構招聘研究員/イスラーム考古学・ガラス史。 安岡 彩(やすおか あや) 早稲田大学大学院建築学修士課程修了/日本美術史。
ムハンマドアッサーリフ・フーティイヤ アドラール・アフリカ大学(アルジェリア)教授、同生涯教育センター長/歴史学。
アフマドアルハーッジ・ハンマーディー 元アウレフ中学校(アルジェリア)校長
アブドゥルラフマーン・ベン・ハリーファ クバ高等師範学校(アルジェリア)講師、アルジェリア国立生物資源開発センターアドバイザー/植物学。
ワシーラ・ベン・スリーマーン クバ高等師範学校(アルジェリア)非常勤助手/生態学。
バドゥルッディーン・ハラファッラー・アーダム 紅海大学(スーダン)講師/海洋生物学。
アーディル・ムハンマド・サーリフ 紅海大学(スーダン)講師/漁業管理。
アブドゥルムニム・カラマッラー・ジャイバッラー 紅海大学海洋・漁業学部講師/海洋生物学。
アドゥルガーディル・バダウィー・ムハンマド 紅海大学教育学部講師/社会人類学。
ムハンマド・アブドゥルバーシト・ムハンアドアフマド スーダン科学技術省国立研究センター研究助教/水文学。
アブドゥルジャッバール・T・バービクル スーダン科学技術大学農学部教授/雑草学、農芸化学。
アブドゥルアズィーズ・カラマッラー・ジャイバッラー スーダン科学技術大学林野・牧野学部教授/牧野管理学。
アブドゥルワドゥード・A・アルハリーファ スーダン科学技術大学林野・牧野学部准教授/林学。
アフマド・M・アルドゥーマ スーダン科学技術大学林野・牧野学部准教授/林学。
安岡 義文(やすおか よしふみ) ハイデルベルグ大学哲学部エジプト学研究所博士後期課程/建築史、エジプト学。
鈴木 英明(すずき ひであき) マギル大学インド洋世界研究センター訪問研究員・日本学術振興会海外特別研究員/インド洋海域史、世界史。 |