ドリアン王国探訪記
マレーシア先住民の生きる世界
フィールドワーク選書 1
信田敏宏著
四六判・並製・紙カバー装・帯付・総208頁
税込2,200円(本体2,000円+税)
ISBN978-4-653-04231-0【2013年11月刊】
ドリアンとゴムの林に囲まれた村の暮らしの現在
―― 村の人びとと働き、感動し、ときに葛藤しながらいきいきと現地の生活と文化を描く!
オラン・アスリと呼ばれる先住民たちは、経済・文化の潮流にもまれながら、現在どのような生活を営んでいるのか。現地の人々との関係で苦悩し一度は調査地の変更を迫られるなど挫折を経験した著者自身のエピソードを交えつつ、農業開発やイスラーム化といった村の直面している問題と、そのなかで伝統的な人のつながりや儀礼を大切にしながらいきいきと暮らす人々のすがたを、豊富な写真とともにわかりやすく紹介する。
<目次>
はじめに――マレーシアとの出会い
第一章 旅の始まり
予備調査/再びバニン村へ/オラン・アスリ
第二章 バニン村
フィールドワーク開始/トラブル勃発/休養、そして調査地の変更へ
第三章 ドリアン・タワール村
フィールドワーク再開/村の日常/村の非日常的時間――結婚式
研究テーマを決める
第四章 世帯調査
「上の人びと」「下の人びと」/世帯調査の開始/世帯調査の結果にみる村の概況
第五章 ゴムとドリアン
ゴム調査/ドリアン調査/調査結果の分析/開発による格差の広がり
第六章 イスラーム化
メイン・テーマの発見/イスラームをめぐる出来事/イスラームをめぐる出来事の意味
第七章 旅の終わり――フィールドワーク雑感
フィールドワーク終了/フィールドワーク雑感/別れの宴
あとがき・参考文献
●著者
信田敏宏(のぶた としひろ)
国立民族学博物館准教授。社会人類学・東南アジア研究。開発、イスラーム化、NGO活動などをテーマに、オラン・アスリ(先住民)を対象とした研究を行なっている。 |