アンデスの文化遺産を活かす
考古学者と盗掘者の対話
フィールドワーク選書 6
関 雄二著
四六判・並製・紙カバー装・帯付・総216頁
税込2,200円(本体2,000円+税)
ISBN978-4-653-04236-5【2014年3月刊】
遺跡をめぐる破壊と対立を乗り越えた先にあるものとは?
遺跡のなかに暮らす人びと、盗掘者、遺跡に立てこもった先住民たち――現地の人びとへのインタビューを通し、多様な価値観や歴史観に触れてきた考古学者が、文化遺産を継承する意味を考え、その実践のために奮闘する姿を紹介する。
<目次>
序章 フィールドワーク前夜――アンデスの遺跡をめぐるある事件
第一章 遺跡はどうして壊れるのか
フィールドワークの問題設定/自然が壊し、生業が壊す
第二章 不法占拠と遺跡の破壊
遺跡で暮らす/都市への人口流入
第三章 盗掘者の論理
盗掘者を求めて/呪術と盗掘のつながり/過去との断絶
第四章 ミイラの帰属をめぐる攻防
哀しみの美少女フワニータ/疎外される地域住民/文化遺産はだれのものか
第五章 インカに虐げられ、インカを愛する人々
インガピルカ遺跡占拠事件/遺跡管理体制の転換
第六章 集合的記憶の生成
クントゥル・ワシ村に博物館を建てる/考古学者の論理と地域住民の記憶/パコパンパ遺跡での試み
おわりに
●著者
関 雄二(せき ゆうじ)
国立民族学博物館教授。アンデス考古学・文化人類学。1979年以来ペルーを中心とした発掘調査と並行し、文化遺産の保全と開発の問題にも取り組む。
【メディア掲載情報】
読売新聞 (2014年3月9日 朝刊)
日本経済新聞 (2014年5月4日 朝刊) 朝日新聞 (2014年7月15日 夕刊) |