宇多天皇の日記を読む 天皇自身が記した皇位継承と政争
日記で読む日本史 3
古藤真平著
四六判・上製・紙カバー装・帯付・272頁
税込3,300円(本体3,000円+税)
ISBN978-4-653-04343-0【2018年8月刊】
現在逸文が伝わるのみだが、天皇が記した日記で最も古いものといわれ、重要視されてきた『宇多天皇御記』。そのなかから、関白藤原基経との政争である阿衡事件の経過や、宇多天皇が創始したとされる皇太子への壺切御剣下賜の由来など、「寛平の治」と讃えられる当時の宮廷の内幕を物語るさまざまな記事を丁寧に読み解く。
<目次>
序 章
『宇多天皇御記』とは 『宇多天皇御記』の伝存と散逸後の逸文集成
第一章 皇位継承を予告した鴨明神の託宣
『御記』四箇条の読解 『大鏡』の説話とその考察 登場人物についての補説
第二章 践祚から即位式まで
践祚から先帝の大喪まで 即位式
第三章 阿衡事件
『政事要略』阿衡事の構成と事件の概略 『御記』の読解
改正詔書宣布からの事件の展開
第四章 壺切御剣
皇太子敦仁・崇象両親王への賜与
『御記』仁和五年正月十八日条逸文の解釈
『朝野群載』所収の「御剣銘」 『御記』逸文の「臣父」の比定をめぐって
(付 載)『宇多天皇御記』原文
●著者 ※所属は2018年刊行時のものです
古藤真平(ことう しんぺい) (公財)古代学協会研究員。編著:『紀伝道研究史料集―文武朝~光孝朝―』(公財)古代学協会、2016年。ほか:角田文衞監修『平安時代史事典』(角川書店、1994年)などの編集に従事。
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