皇位継承の記録と文学
『栄花物語』の謎を考える
日記で読む日本史 8
中村康夫著
四六判・上製・紙カバー装・帯付・192頁
税込3,080円(本体2,800円+税)
ISBN978-4-653-04348-5【2017年8月刊】
壬申の乱から『栄花物語』の時代まで。皇位継承に関わる事件はどのように意識されてきたのか。横断的に文献を読み解き、その謎に迫る!
<目次>
はじめに
第一章 歴史を書くということ
一、国史/二、物語/三、歴史的展開ということ/四、歴史的類推とは
五、帝の意向が皇位継承の原則を変える/六、周辺の情報
七、高市皇子のこと/八、皇位継承問題の会議/九、大津皇子のこと
第二章 重畳する皇位継承問題
一、有間皇子の事件前史/二、有間皇子の謀反について/三、建王の話
四、皇位継承問題の多様化/五、道鏡のこと/六、光仁天皇の即位
七、桓武天皇の即位/八、氷上川継の乱/九、伊予親王の変
十、皇太子問題ではない皇位継承問題/十一、『伊勢物語』の世界とは
十二、藤原高子のこと/十三、菅原道真のこと
第三章 『栄花物語』の謎
一、栄花物語の事実/二、後宮が抱える歴史的状況
三、秩序はどう形成されるか/四、『栄花物語』の記事に沿って
五、皇位継承のさまざまな論理
六、広平親王は憲平親王よりどれくらい先に生まれたか
七、為平親王の婚姻/八、村上天皇の退位志向/九、安和の変へ急転回
十、安和の変って何?/十一、『蜻蛉日記』の安和の変
十二、罪はあって悪人なし/十三、左遷事件と皇位継承問題
十四、事実とはどういうものか
結びに代えて
関連資料紹介 伴大納言絵詞/北野天神縁起絵巻
あとがき
●著者 ※所属は2017年刊行時のものです
中村康夫(なかむら やすお) 国文学研究資料館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。専門は日本文学。主著:『栄花物語の基層』風間書房、2002年。『歴史物語(栄花物語・大鏡・今鏡・水鏡・増鏡)CD-ROM』(監修)岩波書店、2003年。『日本古代文学人名索引(電子版)』和泉書院、2008年。
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