日記に魅入られた人々
王朝貴族と中世公家
日記で読む日本史 13
松薗 斉著
四六判・上製・紙カバー装・帯付・208頁
税込3,080円(本体2,800円+税)
ISBN978-4-653-04353-9【2017年4月刊】
院政期から戦国時代まで――いつの時代も一生懸命生きていた人々がいて、面白い人物がたくさん蠢(うごめ)いていた! 栄華が過去のものになりつつある時にも、決してあきらめず前向きに、押し寄せる時代の波に順応しながらたくましく生きていた個性豊かな貴族・公家たちの姿を、中世日記研究の第一人者がわかりやすく説き明かす。
<目次>
はじめに(お断わり)
第一章 人生を仕上げた男―藤原宗忠『中右記』―
一 日記の終わり
二 出家したら日記を止めますか?
三 王朝貴族もブランドに弱い?
四 老人日記
〈コラム1〉儀式への眼差し
第二章 日記の中のジキルとハイド―藤原頼長『台記』―
一 悪左府頼長
二 陽の面
三 陰の面
四 日記に書いてよいこと、悪いこと
〈コラム2〉日記の価値
第三章 父と姉と娘と息子―藤原定家『明月記』―
一 さまざまな顔をもつ定家
二 父俊成の死
三 元気な姉様たちのこと
四 娘と息子
第四章 経光くんの恋―藤原経光『民経記』―
一 貴族は何を日記に書くのか
二 初めての日記
三 初恋日記
〈コラム3〉日記を焼く、焼かれる
第五章 やさしい宮様(中世の夫婦善哉日記)―貞成親王『看聞日記』―
一 南御方登場
二 子だくさんの貧乏宮家
三 宮家の細うで繁盛記
四 怖かったこと
五 悲しかったこと
〈コラム4〉存在しない日の日記
第六章 戦国の「渡る世間…」―三条西実隆『実隆公記』―
一 三条西実隆って誰?
二 妻と嫁のはざまに
三 忘れられないひと
四 夢を追って
〈コラム5〉売りに出された日記
第七章 言継さんの診察カルテ―山科言継『言継卿記』―
一 戦国の落とし子
二 町のお医者さん
三 内裏女房のホームドクター
四 有名人たちとの出会い
第八章 天皇様を支えます!!―戦国の禁裏女房たち『御湯殿上日記』―
一 後花園天皇の回想と思いつき
二 大す、ほれて
三 困窮する内裏
四 姉と妹、二人で内侍
参考文献
あとがき
●著者 ※所属は2017年刊行時のものです
松薗 斉(まつぞの ひとし) 愛知学院大学教授。専門は日本古代・中世史。主著:『日記の家―中世国家の記録組織』吉川弘文館、1997年。『王朝日記論』法政大学出版局、2006年。『日記で読む日本中世史』(共編著)ミネルヴァ書房、2011年。
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