「日記」と「随筆」
ジャンル概念の日本史
日記で読む日本史 19
鈴木貞美著
四六判・上製・紙カバー装・帯付・296頁
税込3,300円(本体3,000円+税)
ISBN978-4-653-04359-1【2016年5月刊】
日本文学におけるジャンル概念の変遷を追う
『土佐日記』は紀行、『方丈記』は日記とみなされていた時代があった?!では、現在のようなジャンル概念はいつ、どのようにして築かれたのか。「日記」と「随筆」それぞれの概念の変遷を追うことで、現代の国語教育をとおして、人びとのあいだに認識されているジャンル概念や価値観から離れ、作品を見通す新たな視座を提供する。
<目次>
序 章 なぜ、「日記」と「随筆」か
一 ジャンルは編みかえられる
二 随筆とエッセイ
三 古典評価の移り変わり
第一章 古典における「日記」と紀行文
一 重層する「日記」の用法
二 様ざまな「日記」
三 中世紀行文のことなど
第二章 前近代における「随筆」
一 中国の用法
二 日本の場合
三 日本の「随筆」考
四 池亭記・方丈記・徒然草
五 江戸時代の「随筆」
第三章 「日記」「随筆」の近現代
一 古典評価史の検討
二 「日記」の変容
三 修養日記へ
四 随筆の拡散
註
あとがき
主要人名・書名索引
●著者
鈴木貞美(すずき さだみ) 国際日本文化研究センター・総合研究大学院大学名誉教授。専門は古典評価史をあわせた日本近現代文芸史の再構築。
主著:『近代の超克―その戦前・戦中・戦後』作品社、2015年。『「日本文学」の成立』作品社、2009年、『生命観の探求―重層化する危機のなかで』作品社、2007年。
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