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文化遺産と生きる

飯田 卓編
A5判・上製・紙カバー装(帯あり)・408頁・索引付
税込4,400円(本体4,000円+税)

ISBN978-4-653-04361-4【2017年6月刊】


文化遺産は誰のものなのか?

建造物や遺跡といった旧来の文化遺産にとどまらず、芸能、祭事、はては知識や慣習といった無形の遺産まで――文化遺産を抱えるコミュニティとその担い手たちの視点に立ち、世界各国で加熱する文化現象の実態を描き出す。姉妹編『文明史のなかの文化遺産』とともに、文化遺産学(ヘリテイジ・スタディーズ)にはじめて文化人類学的視点を導入する。国立民族学博物館(みんぱく)機関研究の成果を書籍化。

<目次>
 はじめに/略称・略号などの一覧と解説
 序 章 「人間不在の文化遺産」という逆説を超えて(飯田 卓)
第一部 無形文化遺産とその影響力
 無形文化遺産を語る人たち(岩崎まさみ)
 幻影化する無形文化遺産(菅 豊)
 遺産登録をめぐるせめぎあい――トン族大歌の事例から(兼重 努)
第二部 無形の遺産の担い手たち
 伝承の「舞台裏」――神楽の舞の構造に見る、演技を生み出す力とその伝えられ方(俵木 悟)
 映像がとらえる儀礼と音楽――エチオピアのザール憑依儀礼と楽師アズマリを事例に(川瀬 慈)
 文化財の演じ方――獅子舞の演者たちの文化財意識(笹原亮二)
第三部 世界遺産のゆくえ
 住民不在の世界遺産――文化の担い手への配慮なき遺産保護の限界(高倉健一)
 世界遺産のまもり方――民家の移築保存と現地保存をめぐって(才津祐美子)
 生活の中に見出された世界遺産――紅河ハニ棚田群の文化的景観(阿部朋恒)
第四部 商品としての無形文化遺産
 遺産観光の光と影――中国雲南省・シーサンパンナ、タイ族園の事例より(長谷川 清)
 商品化と反商品化――マダガスカル山村の無形文化遺産(飯田 卓)
第五部 文化行政への問いかけ
 変化のただ中の継承者育成――中国の無形文化遺産保護劇団・西安易俗社の事例から(清水拓野)
 地域文化遺産の継承(日髙真吾)
 おわりに/索引

●編者・執筆者 (五十音順)   ※所属は2017年刊行時のものです

阿部朋恒(首都大学東京大学院人文科学研究科・博士後期課程)
飯田 卓(国立民族学博物館准教授)
岩崎まさみ(北海学園大学教授)
兼重 努(滋賀医科大学教授)
川瀬 慈(国立民族学博物館准教授)
才津祐美子(長崎大学多文化社会学部准教授)
笹原亮二(国立民族学博物館教授)
清水拓野(関西国際大学教育学部准教授)
菅 豊(東京大学東洋文化研究所教授)
高倉健一(葛飾区役所区史編さん専門員)
長谷川 清(文教大学文学部教授)
日髙真吾(国立民族学博物館准教授)
俵木 悟(成城大学文芸学部准教授)

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e-mail: kyoto@rinsen.com