『紅楼夢』の世界 きめこまやかな人間描写
京大人文研東方学叢書 10
井波陵一著
四六判・上製・紙カバー装・帯付 総260頁
税込3,300円(本体3,000円+税)
ISBN978-4-653-04380-5【2020年4月刊】
紅迷(ホンミー)(紅楼夢フリーク)から若い読者まで、必読の一書!
ファッション界の巨人ヴィヴィアン・ウエストウッドが「私を変えた名作」に挙げたことでも知られる、18世紀口語小説の最高峰『紅楼夢』。『新訳 紅楼夢』(読売文学賞研究・翻訳賞)の訳者である著者が、作中の様々なエピソードを取り上げながら、人間の関係性を根底的に描いた作品の魅力を語りつくす。『紅楼夢』はなぜ書かれたのか、そしてその存在意義とは。
<目次>
はじめに
第一章 作品の世界
第一節 物語のあらすじ
第二節 賈宝玉の幻想――少女は天地の精髄(エッセンス)、男はカスやアブク
第三節 賈家の人々――位置どり(ポジショニング)の妙
第四節 涙はどのように流されたか――「礼」との関わりをめぐって
第二章 作品の背景
第一節 曹寅の活躍――『紅楼夢』の遠景として
第二節 曹雪芹――おぼろげな作者像について
第三章 作品の受容
第一節 紅迷(ホンミー)のこだわり――神は細部に宿り給う
第二節 夢の涯までも――続編の出現
第三節 「まっとうな」批評とその落とし穴
おわりに
あとがき / 図版一覧 / 索引
●著者
井波陵一(いなみ りょういち) 京都大学名誉教授。専攻は中国文学。2015年、曹雪芹『新訳紅楼夢』全7 冊で第66回読売文学賞研究・翻訳賞受賞。著書に「知の座標―中国目録学」(白帝社2003)、『紅楼夢と王国維―二つの星をめぐって』(朋友書店2008)、訳書に王国維『宋元戯曲考』(平凡社1997)がある。
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