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呪者の肖像

川田牧人・白川千尋・関一敏編
A5判・上製カバー装・292頁
税込4,620円(本体4,200円+税)

ISBN978-4-653-04383-6【2019年2月刊】


〜呪術とは何か:呪者に焦点を当てた考察から呪術に迫る〜

本書は、個々の呪術の営みの中心にあってそれを執り行なう人、いわゆる呪者の個人的技芸からどれだけ呪術そのものを記述できるかという試みを通して、「呪術とはなにか」という根源的な問いに迫る。
第T部は「呪者に会う」と題し、各執筆者がフィールドで出会った呪者(あるいは文献上で出会った呪者)を中心にその人となりを記述する。第U部「呪術にせまる」は、呪者のもつ〈わざ〉の側面に重点をおき、実際に実践される呪術の具体像にせまる。第V部「呪者と呪術のあいだで」は、人と〈わざ〉の両者がどのくらい可分/不可分なものであるかという観点から、これまでの議論を綜合し、さらに現実/虚構、ホンモノ/ニセモノ、利己/利他、さらには科学/宗教/呪術といったさまざまな狭間に着目した考察を加える。最後に本書のタイトル「呪者の肖像」の発案者である関一敏が、終章「呪者の肖像のほうへ」で、この主題の研究の軌跡をまとめる。

<目次>
序(川田牧人)
第T部 呪者に会う
 第1章 イカサマ呪者とホンモノの呪術―東北タイのバラモン隠者リシ(津村文彦)
 第2章 鍛錬と天賦―呪者になるためのふたつの経路(川田牧人)
 第3章 私は呪術師にはならない―知識とともに生きる(大橋亜由美)
 第4章 西欧近世における「呪者の肖像」―高等魔術師と魔女(黒川正剛)
第U部 呪術にせまる
 第5章 日常から呪術への跳躍      
       ―ミャンマーにおける「上道の師」と「精霊の妻」の憑依実践(飯國有佳子)
 第6章 力と感性―北タイにおける二人の呪者(飯田淳子)
 第7章 タイ北部におけるシャンの在家朗誦師の活動(村上忠良)
 第8章 冒険する呪者たち―ナイジェリア都市部呪医の実践から(近藤英俊)
第V部 呪者と呪術のあいだで
 第9章 治療師としてのふさわしさ
       ―ヴァヌアツ・トンゴア島の伝統医療と担い手の関係(白川千尋)
 第10章 妖術師の肖像―タイ山地民ラフにおける呪術観念の離床をめぐって(片岡樹)
 第11章 〈呪力〉の「公共性」(梅屋潔)
終章 呪者の肖像のほうへ(関一敏)
あとがき(白川千尋)
索引

<執筆者一覧>50音順
飯國有佳子:大東文化大学国際関係学部准教授
飯田淳子:川崎医療福祉大学医療福祉学部教授
梅屋潔:神戸大学国際文化学研究科教授
大橋亜由美:箕面市教育委員
片岡樹:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授
川田牧人:成城大学文芸学部教授
黒川正剛:太成学院大学人間学部教授
近藤英俊:関西外国語大学特任准教授
白川千尋:大阪大学大学院人間科学研究科教授
関一敏:九州大学名誉教授
津村文彦:名城大学外国語学部教授
村上忠良:大阪大学大学院言語文化研究科教授

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e-mail: kyoto@rinsen.com