家族の人類学
マレーシア先住民の親族研究から 助け合いの人類史へ
信田敏宏著
四六判・上製・紙カバー装・帯付・264頁
税込3,080円(本体2,800円+税)
ISBN978-4-653-04385-0【2019年8月刊】
マレーシアの「森の民」と呼ばれるオラン・アスリ。先住民である彼らが、歴史的に権力や外圧に翻弄されながらも、家族・親族の強いつながりに支え合いながら生きのびてきた歴史を説き明かすとともに、NGOを介して外部世界との新たな関係の構築が試みられている現状を紹介。人類史的な視点で「助け合うこと」の過去と未来を考える。
<目次>
はじめに
家族・親族に関する人類学研究
日本との比較
変わらない光景
新たな関係性
本書の構成
第1章 オラン・アスリの概説
第2章 オラン・アスリの歴史
第3章 ドリアン・タワール村の概観
第4章 制度としての母系制、理念としての母系制
第5章 家族の諸相
第6章 NGO活動によって築かれる新たな関係性
おわりに
世帯の記録
参考文献
あとがき
●著者
信田敏宏(のぶた としひろ) 国立民族学博物館教授。社会人類学・東南アジア研究。主著に『周縁を生きる人びと――オラン・アスリの開発とイスラーム化』(京都大学学術出版会、2004 年)、『ドリアン王国探訪記――マレーシア先住民の生きる世界』(臨川書店、2013 年)、『「ホーホー」の詩ができるまで――ダウン症児、こころ育ての10 年』(出窓社、2015 年)、『「ホーホー」の詩、それから――知の育て方』(出窓社、2018 年)などがある。
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