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捕鯨と反捕鯨のあいだに
世界の現場と政治・倫理的問題  

岸上伸啓編

A5判・上製・本文総336頁
税込4,400円(本体4,000円+税)(残部僅少)
 
ISBN978-4-653-04389-8
【2020年11月刊】

捕鯨の何が問題なのか? 先住民捕鯨の最前線から、反捕鯨運動まで。国立民族学博物館共同研究「捕鯨と環境倫理」の成果を書籍化。 世界各地の捕鯨の現場や利用実態の報告、日本のIWC脱退を中心とした政治的問題の解説、反捕鯨運動・環境思想の視点からの考察など、さまざまな立場・専門の論者による寄稿16篇を収録する。

<目次>
はじめに (岸上伸啓)
世界の捕鯨と捕鯨問題を考える  (岸上伸啓)
第一部 捕鯨の現場 ― 商業捕鯨、先住民生存捕鯨、クジラの観光資源化
 岐路に立つノルウェーの捕鯨―ミンククジラ漁のいまとこれから (赤嶺 淳)
 日本とノルウェーの小型捕鯨 (石川 創)
 岩手県におけるイルカ・クジラ漁の歴史的展開 (吉村健司)
 アラスカ北極海の生存捕鯨と海底油田開発 (生田博子)
 現代グリーンランドにおける捕鯨と儀礼 (本多俊和・高橋美野梨)
 生き残る先住民生存捕鯨、停滞するホエール・ウォッチング構想
 ―カリブ海、ベクウェイ島の事例より (浜口 尚)
第二部 捕鯨をめぐる政治力学
 蘇った韓国のクジラ―絶滅から観光・環境資源へ (李 善愛)
 日本の調査捕鯨 (若松文貴)
 IWCでの日本外交を振り返る(一九九七~二〇一八)
 ―妥協は不可能だったのか (真田康弘)
 日本のIWC脱退の問題点と今後の展望 (石井 敦)
第三部 反捕鯨運動と倫理
 メディア論で読み解く捕鯨問題 (河島基弘)
 逸脱する捕鯨推進とクジラ紛争の歴史を追って (臼田乃里子)
 日本におけるNGO活動としてのクジラの保全―鯨からクジラへ (倉澤七生)
 生態系保全と動物福祉―食べない捕鯨支持層の目に映る反捕鯨派 (佐久間淳子)
 動物倫理の観点から見た捕鯨 (伊勢田哲治)
おわりに (岸上伸啓)
略字表/執筆者紹介

●編者・執筆者 (五十音順)   ※所属は2020年刊行時のものです

赤嶺 淳(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
李 善愛(宮崎公立大学国際文化学科・教授)
生田博子(九州大学・准教授)
石井 敦(東北大学東北アジア研究センター准教授)
石川 創(前・下関海洋科学アカデミー・鯨類研究室長)
伊勢田哲治(京都大学大学院文学研究科・准教授)
臼田乃里子(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス大学院(社会人類学)博士課程中退)
河島基弘(群馬大学社会情報学部・准教授)
岸上伸啓(人間文化研究機構・理事/国立民族学博物館・教授(併任))
倉澤七生(イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク・事務局長)
佐久間淳子(フリージャーナリスト)
真田康弘(早稲田大学地域・地域間研究機構・客員主任研究員/研究院・客員准教授)
高橋美野梨(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター/北極域研究センター・助教)
浜口 尚(園田学園女子大学・図書館長/園田学園女子大学短期大学部・教授)
本多俊和(放送大学・元教授)
吉村健司(東京大学大気海洋研究所・特任研究員)
若松文貴(京都大学学術研究支援室・リサーチ・アドミニストレーター(主任))

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