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中国初期仏塔の研究

向井佑介著
B5判・上製・紙カバー装・316頁・カラー口絵8頁
税込9,350円(本体8,500円+税)

ISBN978-4-653-04439-0【2020年3月刊】


塔はなぜ高くなったのか、双塔の伽藍はなぜ誕生したのか――日本考古学・古代史の分野において未解決の問題に解答を示しながら、インド起源の仏塔がいかに中国で受容され、朝鮮半島から日本へと伝播したかを解き明かす。考古資料、文献史料、図像資料の総合分析からみえてくる東アジアの寺院建築・伽藍配置がもつ本質的な意味とは。

<目次>
序 章 中国初期仏塔研究の現状と課題
 第一節 中国初期仏塔研究のはじまり
 第二節 中国初期仏教寺院の考古学的調査
 第三節 中国仏教寺院研究の課題と本研究の射程
第Ⅰ部 仏塔の受容と信仰
第一章 仏教寺院の中国伝来
 第一節 阿育王塔と白馬寺の伝説
 第二節 後漢時代の仏教信仰
 第三節 「浮図祠」の探索
 第四節 出土資料からみた中原の初期仏教
第二章 仏塔の中国的変容
 第一節 中国初期仏塔のすがた
 第二節 仏塔と天上世界
第Ⅱ部 仏塔と舎利埋納
第三章 北魏興安二年舎利石函の図像学
 第一節 北魏興安二年石函の発見
 第二節 興安二年石函と雲岡石窟の図像
 第三節 山岳紋様と比丘図像の系譜
 第四節 石函の図像解釈と思想
第四章 南北朝仏塔の舎利埋納
 第一節 仏舎利の奇蹟譚
 第二節 東晋・南朝の舎利埋納
 第三節 北魏太和五年石函出土文物の検討
 第四節 東魏・北斉鄴城の仏塔と舎利埋納
第Ⅲ部 雲岡石窟の寺院景観
第五章 雲岡石窟の瓦と寺院景観
 第一節 雲岡石窟出土瓦の様式と編年
 第二節 瓦からみた雲岡石窟の寺院景観
第六章 雲岡石窟の仏塔意匠
 第一節 仏塔意匠の三種
 第二節 石塔形重層柱
 第三節 覆鉢式塔
 第四節 楼閣式重層塔
 第五節 仏塔意匠の流行と雲岡石窟の景観
第Ⅳ部 仏塔の構造と空間配置
第七章 北魏平城時代の仏教寺院と塑像
 第一節 北魏平城時代の塑像出土寺院
 第二節 堂塔の配置と構造
 第三節 塑像と壁画による堂塔の荘厳
第八章 中国における双塔伽藍の成立と展開
 第一節 東晋・南朝における双塔伽藍の出現
 第二節 北魏における双塔伽藍の出現
 第三節 隋の双塔伽藍
 第四節 初唐の双塔伽藍とその影響
 第五節 唐代における双塔伽藍の変質
終 章 中国仏塔の成立と伝播
 第一節 中国仏教寺院の黎明
 第二節 仏教寺院の本格的受容
 第三節 仏教寺院の変容と伝播
あとがき
索 引

●著者
向井佑介(むかい ゆうすけ)
京都大学人文科学研究所准教授。専門は中国考古学・歴史考古学。主な著書に『シルクロード発掘70年 雲岡石窟からガンダーラまで』(共編著、臨川書店、2008)、『埋もれた中国古代の海昏侯国(一)~(三)』(監訳、樹立社、2019)など。

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