怪異学の地平
東アジア恠異学会編
A5判・上製カバー装・356頁
品切
ISBN978-4-653-04448-2【2019年2月刊】
〜怪異学研究の最先端〜
怪異をめぐる言葉、怪異とよばれる事象、怪異をもたらすもの―それらは何であるのか、怪異学研究の最先端を明らかにする。
東アジア恠異学会の二〇一五年度からの三年間の研究の蓄積をまとめたもの。
この間のテーマは、「〈他〉の認識と怪異学」。
人々が何を「他」と認識してきたのかを考える。
本書は、怪異学の初発からの問題意識である「怪異」という語に関する「1〈怪異〉をめぐる言葉の定着」、〈他〉の認識に係る「2〈異〉〈他〉の広がりと認識」「3〈神仏〉と〈化物〉の間」の三つで構成し、十四編の論考を収録した。いずれの論考も怪異学のこれまでの研究の蓄積をふまえ、新たな可能性を模索する内容となっている。
<目次>
序文(西山克)
1.〈怪異〉をめぐる言葉の定着
日本古代の「怪」と「怪異」―「怪異」認識の定着―(大江篤)
異と常―漢魏六朝における祥瑞災異と博物学―(佐々木聡)
日本古代の「祟」の成立とその周辺―西大寺の建設をめぐって―(久禮旦雄)
室町時代石清水八幡宮の怪異(山田雄司)
近世怪異が示す射程―ひろたまさきの「妖怪」論を手がかりにして―(木場貴俊)
2.〈異〉〈他〉の広がりと認識
妖怪・怪異・異界―中世説話集を事例に―(久留島元)
「キリシタン」の幻術 ―『切支丹宗門来朝実記』系実録類と地域社会の「キリシタン」―(南郷晃子)
六朝志怪における西方仏教説話の選択受容(佐野誠子)
海の驚異―異界・異類についての博物誌と物語をめぐって―(近藤久美子)
3.〈神仏〉と〈化物〉の間
「妖怪」を選ぶ(化野燐)
「件(くだん)」の成立―近世の古代的言説「近世的神話」の中で―(榎村寛之)
護符信仰と人魚の効能(笹方政紀)
蜘蛛塚考(村上紀夫)
睡虎地秦簡『日書』詰篇にみる神・鬼・人―『日書』の担い手を探る―(大野裕司)
特別寄稿:地平の彼方と椽の下(京極夏彦)
あとがき(大江篤)
<執筆者一覧>50音順
化野燐:小説家
榎村寛之:斎宮歴史博物館副参事兼学芸普及課長
大江篤:園田学園女子大学教授
大野裕司:大連外国語大学日本語学院外籍教師
木場貴俊:国際日本文化研究センタープロジェクト研究員
京極夏彦:小説家・意匠家
久留島元:日本学術振興会特別研究員PD(京都精華大学)
久禮旦雄:京都産業大学准教授
近藤久美子:大阪大学教授
笹方政紀:東アジア恠異学会会員
佐々木聡:金沢学院大学講師
佐野誠子:名古屋大学准教授
南郷晃子:神戸大学国際文化学研究推進センター・学術研究員
西山克:関西学院大学教授・恠異学会初代代表
村上紀夫:奈良大学准教授
山田雄司:三重大学教授
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