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北太平洋の先住民文化
歴史・言語・社会

岸上伸啓編
A5判・上製・紙カバー装・本文288頁
税込4,620円(本体4,200円+税)

ISBN978-4-653-04565-6【2024年3月刊】


国立民族学博物館(みんぱく)共同研究の成果を書籍化! 日本・ロシア・アメリカ・カナダといった環北太平洋地域における先住諸民族の文化・社会の変化と現状を、考古学・言語学・文化人類学の最新の知見をもとに比較検討するとともに、現在の博物館展示・先住民表象のあり方について批判的に考究。この地域の将来を構想する。

<目次>
はじめに(岸上伸啓)
北太平洋地域の先住民文化に関する研究の展開(岸上伸啓)
第1部 北太平洋地域の考古学
 ベーリング海峡の両岸を繋ぐ――帝政ロシア末期からソ連初期の露米研究交流史(加藤博文)
 更新世末から完新世初頭の内陸アラスカにおける環境変化と人類活動の様相(平澤 悠)
 北太平洋東西の比較考古学――展望と課題(高瀬克範)
第2部 北太平洋地域の言語
 言語から探る環オホーツク海諸民族交流――古アジア諸語に焦点をあてて(呉人 惠)
 地域言語学的観点から見たツングース諸語の条件形について(白 尚燁)
 北アメリカ北西海岸地域における言語間接触について(堀 博文・笹間史子)
第3部 北太平洋地域の文化と社会
 大麻はカナダ、北西海岸先住民を救うのか――ポスト漁業・養殖業時代におけるクワクワカワクゥの経済的な模索と展望(立川陽仁)
 北方アサバスカン・グィッチン社会の歴史と現在――外部社会との関係史と「伝統」の意味(井上敏昭)
 狩猟・漁労の再活性化と外来技術――内陸アラスカの事例から(近藤祉秋)
 アラスカの金鉱開発と先住民族(生田博子・久保田亮)
 南西アラスカにおける「財宝」の起源と神聖性――アリュートとユピック社会における狩猟帽(野口泰弥)
 北海道アイヌの獣皮製衣服について――とくにモウㇽをめぐって(齋藤玲子)
第4部 北太平洋地域の先住民族アイヌと博物館
 アイヌに対する「認知」の空白と博物館・美術館展示(大坂 拓)
 アイヌ民族の「現代」展示とミュージアムの脱植民地化(関口由彦)
おわりに(岸上伸啓)


●執筆者 (50音順)   ※所属は2024年刊行時のものです

生田博子 (九州大学留学生センター) 人類学、アラスカ先住民研究
井上敏昭 (城西国際大学国際人文学部) 文化人類学、アラスカ内陸先住民研究
大坂 拓 (北海道博物館アイヌ民族文化研究センター) 物質文化研究、アイヌ文化研究
加藤博文 (北海道大学アイヌ・先住民研究センター) 先住民考古学、シベリア考古学研究
岸上伸啓 (国立民族学博物館学術資源研究開発センター) 文化人類学、北アメリカ北方先住民研究
久保田亮 (大分大学経済学部) 文化人類学、アラスカ先住民研究
呉人 惠 (北海道立北方民族博物館) 言語学、コリャーク語研究
近藤祉秋 (知犬ラボ) 文化人類学、アラスカ先住民研究
齋藤玲子 (国立民族学博物館人類文明誌研究部) 文化人類学、アイヌ文化研究
笹間史子 (大阪学院大学情報学部) 言語学、ツィムシアン語研究
関口由彦 (国立アイヌ民族博物館) 文化人類学、アイヌ文化研究
高瀬克範 (北海道大学大学院文学研究院) 考古学、環オホーツク・北方考古学研究
立川陽仁 (三重大学人文学部) 文化人類学、カナダ先住民研究
野口泰弥 (北海道立北方民族博物館) 文化人類学、アラスカ先住民研究
平澤 悠 (東亜大学人間科学部) 考古学、アラスカ考古学研究
白 尚燁 (室蘭工業大学ひと文化系領域・国際交流センター) 言語学、ツングース語族研究
堀 博文 (静岡大学人文社会科学部) 言語学、ハイダ語研究

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