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暴力のありか
中国古代軍事史の多角的検討

宮宅 潔編
A5判・上製・440頁
税込5,500円(本体5,000円+税)

ISBN978-4-653-04567-0【2024年4月刊】


暴力は中国史に何をもたらしたのか――人々が受け入れ、承認し、さらには規定する暴力―公認された暴力―、とりわけ戦争という巨大な暴力は、中国古代の政治・経済・思想・社会を定義する強制力としていかなる機能を有したのか。軍事史研究に「軍事文化」の視点をも盛り込み、暴力により変容する社会と人間の様相を明らかにする。

<目次>
 序 論  宮宅 潔
第Ⅰ部 暴力へのまなざし
 第1章 中国古代史における暴力  チャールズ・サンフト
 第2章 中国古代の正戦論と『史記』の戦争叙述:暴力正当化の基準をめぐって  金 秉駿
 第3章 両漢の田猟賦と軍礼:暴力の儀礼化に関する一断章  佐藤達郎
 第4章 南北朝時代の仏教と軍事:僧伝の検討  古勝隆一
 コラム 唐代における動乱の発生とその暴力の源:「安史の乱」再考  森部 豊
第Ⅱ部 戦時と平時のはざま
 第5章 新発見の簡牘から見た秦~前漢初期の傅籍制度の沿革  陳 偉
 第6章 征服軍の撤退:里耶秦簡よりみた占領統治の展開  宮宅 潔
 第7章 戦時体制から日常行政体制へ:秦漢時代の県の治安担当官吏について  孫 聞博
 第8章 唐代節度使の出現原因:対外戦争の様相変化を手がかりに  李 基天
第Ⅲ部 戦争の磁力
 第9章 戦争と王権:『商君書』にみる「強国」「天下」と軍功爵制  佐川英治
 第10章 戦争と貨幣:秦の占領統治と半両銭の流通  宮宅 潔
 第11章 軍事と刑罰:秦漢時代における軍事の地位低下についての試論  鷹取 祐司
  後記 / 索引


●編者・執筆者・翻訳者 (執筆順)   ※所属は2024年刊行時のものです

宮宅 潔(京都大学人文科学研究所・教授。専門:中国古代史・簡牘学)
チャールズ・サンフト(Charles Sanft) (米国・テネシー州立大学歴史系・教授。専門:中国古代史・簡牘学・写本文化)
金 秉駿(Kim Byung-Joon)(韓国・ソウル大学歴史学部・教授。専門:東アジア古代史)
佐藤 達郎(関西学院大学文学部・教授。専門:中国古代・中世史)
古勝 隆一(京都大学人文科学研究所・教授。専門:中国古典学)
森部 豊(関西大学文学部・教授。専門:唐・五代史,東ユーラシア史)
陳  偉(Chen Wei)(中国・武漢大学簡帛研究中心・教授。専門:簡牘整理与研究・中国先秦秦漢史)
孫 聞博(Sun Wenbo)(中国人民大学国学院・教授。専門:秦漢魏晋史・簡牘学・政治制度与政治文化史,軍事制度与軍事史)
李 基天(Lee Kichon)(韓国・ソウル大学校人文学研究院・責任研究員。専門:中国中世史)
佐川 英治(東京大学大学院人文社会系研究科・教授,同大アジア研究図書館・館長。専門:中国古代史)
鷹取 祐司(立命館大学文学部・教授。専門:中国古代史)
朴 周恩(Park Jueun)(東京大学大学院人文社会系研究科・博士課程。専門:唐末五代史・東アジア交流史)
安永 知晃(京都大学人文科学研究所・非常勤研究員。専門:中国古代史)

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