天学真原

江暁原/原著、薩日娜・宝鎖・小澤賢二/訳、
武田時昌/学術顧問

A5判・288頁
税込6,930円(本体6,300円+税)

ISBN978-4-653-04578-6【2024年5月刊】


1991年の原著初版以来、増刷を重ねてきた著作を初邦訳。従来のパースペクティブを超えて古代中国の「天文学」の政治的・文化的・社会的機能を明らかにすることを目的とし、これまで理解が困難とされ、もしくは長い間誤解されてきた一連の現象について、科学社会学・文化人類学の視点から新しく説得力のある解説を試みる。

<目次>
第一章 序論
 Ⅰ 専門用語の解釈
 Ⅱ 本書の狙いと形式
第二章 哲学的基礎:天人合一と天人感応
 Ⅰ 神話における天と地の通じ合い
 Ⅱ 儒家:変化し続ける天命と天意
 Ⅲ 占星学:天象から人事への警告と褒賞
 Ⅳ 天の法則と人間の規範:政治理論
第三章 天学と王権
 Ⅰ 問題:古代中国における天学の特別な地位について
 Ⅱ 解答その一:「昔の天数を伝える者」―天学者の溯源
 Ⅲ 解答その二:霊台、明堂と通天の事務
 Ⅳ 解答その三:通天の手段を独占することは王権の拠り所と象徴
 Ⅴ 小結および余論
第四章 暦:その特性、源流および文化機能
 Ⅰ 暦:その特性に関する疑問
 Ⅱ 暦法の特性とその機能に関する検討
 Ⅲ 暦書(具注暦)の特性と機能の検討
 Ⅳ 暦と両性および人体:天人合一の神秘的な側面
第五章 天学と伝統文化における幾つかの重要な方面
 Ⅰ 古代占星術概論
 Ⅱ 天学と政治的な運用
 Ⅲ 天学と道徳の教化
 Ⅳ 天学と他のものとの関わり
第六章 起源の問題と海外天学の影響
 Ⅰ 人を困惑させる起源問題
 Ⅱ バビロニアの古代天学が東へ伝わった痕跡
 Ⅲ 七曜術の中国での流行
 Ⅳ 中国に来たインドの天学者とインドの天学
 Ⅴ 余論:外来の影響が浸透し続けることは可能か

後書き


●著者   ※所属は2024年刊行時のものです

江暁原(上海交通大学教授)
薩日娜(上海交通大学教授)
宝鎖(内蒙古師範大学講師)
小澤賢二(安徽師範大学客座教授)
武田時昌(京都大学名誉教授)

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