東方ユーラシア馬文化の研究
諫早直人・向井佑介編
菊判・上製・592頁・カラー口絵4頁
税込16,500円(本体15,000円+税)
ISBN978-4-653-04616-5【2026年3月刊】
過去人類の歴史にこれほど深く関わった動物が、ほかに思いつくだろうか―前2千年紀から後1千年紀を中心とする東方ユーラシアの馬文化を、膨大な考古資料と文献史料を用いて比較検討し、家畜馬の普及とともに各地が繋がり、馬車・騎馬利用が広域に展開していくプロセスを再構築する。京都大学人文科学研究所における7年にわたる共同研究の最終報告。
<目次>
序 論――東方ユーラシア馬文化の研究――(諫早直人)
第Ⅰ部 ユーラシア草原地帯の馬利用
第1章 ヒルギスールの隆盛と南北交流(中村大介)
第2章 モンゴル高原における剣帯式長剣の出現――紀元前1千年紀末草原地帯における馬上戦闘武器の変化――
(坂川幸祐・T. イデルハンガイ・A. A. コヴァリョフ)
第3章 硬式鞍の系譜――両輪垂直鞍と後輪傾斜鞍――(諫早直人)
第4章 6~9世紀東部ユーラシアの馬鞍装飾――唐風美術の影響のあるものと遊牧風なもの――(大谷育恵)
コラム1 チンギス・カンの強大化を支えた馬具(白石典之)
第Ⅱ部 中国における馬利用の転換
第5章 中国古代の車馬と弓形器(石谷 慎)
第6章 西周養馬再考(菊地大樹)
第7章 マメを食う馬食えぬ馬――漢簡にみえる馬への飼料支給規定――(藤井律之)
コラム2 「馬」は放浪語か(野原将揮)
第8章 古代中国における重装騎兵の出現(岡村秀典)
第9章 行列中の騎乗用馬と馬珂(大平理紗)
第10章 古代中国障泥考(李 雲河)
第11章 秦漢から隋唐の都城における馬の管理空間(向井佑介)
第Ⅲ部 中国から朝鮮半島へ
第12章 三燕馬具の展開と拡散(李 鉉宇)
第13章 古代東北アジアにおける戦馬具の構造と技術系統(金 省昊)
第14章 新羅における馬具と王権――玉虫装飾馬具の製作とその意義――(王 映雪)
コラム3 東アジアにおける馬と塩の関係について(青柳泰介)
第15章 新羅人と馬――文献史料を中心に――(田中俊明)
第16章 三千幢と罽衿幢――中古期新羅騎兵部隊の基礎的研究――(井上直樹)
第Ⅳ部 日本列島における馬利用の開始とその後の展開
第17章 動物考古学からみた古墳時代の馬匹生産――奈良盆地における初期の馬飼い――(丸山真史)
第18章 騎馬文化出現に伴う炊事様式の変化(長友朋子)
第19章 古墳時代東国における馬匹生産の開始と渡来人――上毛野地域を中心として――(右島和夫)
第20章 倭における飾馬の生産と流通(片山健太郎)
コラム4 古墳時代木製鞍に関する一考察――法量の検討から――(石束 礼 ※礼字の「ネ」は「示」)
第21章 古代官牧の歴史考古学による基礎的研究(山中 章)
第22章 古代の東北北部でウマを飼ったのは誰か?(松本建速)
第23章 日本列島における馬牧の歴史的展開と自然環境(篠原 徹・諫早直人)
第24章 欧米における騎馬民族征服王朝説の展開(ライアン・ジョセフ)
あとがき(向井佑介)/索引(人名/地名・遺跡名/事項/馬・車関係/文献)
編者・執筆者一覧/英文目次・要旨(ライアン・ジョセフ訳)
●編者 ※所属は2026年刊行時のものです
諫早直人(京都府立大学文学部准教授)専門:東北アジア考古学
向井佑介(京都大学人文科学研究所准教授)専門:中国考古学・歴史考古学
●著者(執筆順) ※所属は2026年刊行時のものです
中村大介(埼玉大学人文社会科学研究科教授)専門:東アジア考古学、青銅器
坂川幸祐(島根大学法文学部講師)専門:ユーラシア草原地帯の考古学
イデルハンガイ・トゥムルオチル(IDERKHANGAI Tumur-ochir)(モンゴル国立大学遊牧考古学研究所研究者書記長、同学人類学考古研究室准教授)専門:モンゴル考古学
アレクセイ・アナトリエヴィチ・コヴァリョフ(Aleksey Anatolievich KOVALEV)(ロシア科学アカデミー東洋学研究所研究員)専門:ユーラシア草原地帯の考古学
大谷育恵(京都大学白眉センター特定助教)専門:考古学
白石典之(新潟大学人文学部教授)専門:モンゴル考古学
石谷 慎(山口大学人文学部講師)専門:中国考古学
菊地大樹(蘭州大学歴史文化学院教授)専門:東アジア考古学・動物考古学
藤井律之(京都大学人文科学研究所助教)専門:魏晋南北朝史
野原将揮(京都大学人文科学研究所准教授)専門:歴史言語学、中国語音韻史
岡村秀典(奈黒川古文化研究所所長、京都大学名誉教授)専門:中国考古学
大平理紗(日本学術振興会特別研究員(PD))専門:考古学
李 雲河(北京大学考古文博学院研究員)専門:漢唐考古学
李 鉉宇(釜山大学校人文学研究所専任研究員)専門:東北アジア考古学
金 省昊(釜山大学校考古学科講師)専門:東北アジア考古学(甲冑)
王 映雪(イェール大学マクミランセンター東アジア研究所博士研究員美術史学科講師)専門:日本・韓国古代美術
青柳泰介(奈良県立橿原考古学研究所附属博物館学芸課長)専門:日本考古学・古墳時代
田中俊明(滋賀県立大学名誉教授)専門:朝鮮古代史・古代日朝関係史
井上直樹(京都府立大学文学部教授)専門:朝鮮古代史
丸山真史(東海大学人文学部教授)専門:動物考古学
長友朋子(立命館大学文学部教授)専門:日本考古学
右島和夫(群馬県埋蔵文化財調査事業団理事、奈良県立橿原考古学研究所特別指導研究員)専門:日本考古学(古墳時代)
片山健太郎(埼玉県立さきたま史跡の博物館学芸員)専門:考古学
石束 礼 ※礼字の「ネ」は「示」(大阪府立弥生文化博物館学芸員)専門:日本考古学、古墳時代
山中 章(三重大学名誉教授)専門:歴史考古学
松本建速(東海大学文学部教授)専門:日本考古学
篠原 徹(国立歴史民俗博物館名誉教授、滋賀県立琵琶湖博物館名誉館長)専門:民俗学・生態人類学
ライアン・ジョセフ(Joseph RYAN)(岡山大学文明動態学研究所特任准教授)専門:日本考古学
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