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日本中世の学僧と書物文化
延慶本『平家物語』とその四周と流域

牧野和夫著
A5判・上製・クロス装函入・432頁
税込24,200円(本体22,000円+税)

ISBN978-4-653-04618-9【2026年7月刊】


聖教類の奥書・識語・血脈などの一次資料を手がかりに、無名の遁世僧・律僧を発掘。その足跡を通して、寺院ネットワーク、本地物、疑偽経、舶載の幼学書をめぐる展開を探り、日本中世文学と書物文化を形成した知の交流圏を描き出す。

<目次>
はじめに —律系の学僧を軸に—
第一章 寺院ネットワーク「埋もれた学僧」 —律僧と東山交流圏(河東)を軸に—
 一、延慶本『平家物語』における「東山鷲尾」の注釈的研究 —寺院ネットワークということ—
 二、日本中世文学における十三世紀後末期東山白毫院・霊山周辺 —書物ネットワークの視点から—
 三、「思融—良含」周辺のこと・杭州出自の宋人のこと —「軍記物語と東アジアの仏教世界」補遺—
 四、霊山院・金山院などを巡る二、三の問題 —金沢貞顕の周辺—
 五、太子伝と中世日本記 —秀範・真空—
 六、中世聖徳太子伝記と成阿弥陀仏 —橘寺と速成就院を起点として—
 七、「秀範—聖海」の相承血脈をめぐって —十三世紀中期頃の「動き」を探る—
 八、「秀範—聖海」相承(地方拠点寺院蔵)資料の周辺 —近時過眼資料の紹介と展開—
 九、再び、中世文学史の一隅 —「秀範」を軸に—
 十、埋もれた注釈家永済 —附、京都府立総合資料館(京都府立京都学・歴彩館)蔵『大織冠縁起』—
 十一、埋もれた室町期一学僧の世界 —北林坊尊通の一、二の著作類を中心に—
第二章 本地物の四周 —偽疑経の展開に即して—
 一、「因縁」などをめぐる諸相
 二、「本地物」の四周 —「拡がり」の方向性からの提案—
 三、七寺蔵『大乗毘沙門功徳経』と「因縁・説話」
 四、高山寺蔵仁平三年写『佛説毘沙門天王功徳経』一帖 翻印・解説・諸伝本校異
 五、中国国家図書館蔵『仏説孝順子修行成仏経』・俄羅斯科学院聖彼得堡分所蔵同経断簡と朝鮮順治十七年刊『釈迦如来十地修行記』所収「第七地 金犢太子」について
 六、疑経・仮託などの周辺 —『舎利要文』・『大乗毘沙門功徳経』—
第三章 舶載書・幼学書 —『孔子項託相問書』を巡って—
 一、幼学書類の「発掘」とその持つ可能性について —『孔子項託相問書』の世界—
 二、敦煌蔵経洞蔵『孔子項託相問書』類の日本伝来・受容について
 三、「孔子項託」故事の諸問題 —『孔聖全書』所収「小児論」と越南本三本とを加えて—
 四、日本に舶載された〈孔子童子問答話〉に関する二、三の問題
 五、孔子論図・弥谷寺蔵三宝院流聖教類・宋刊写刻体経典 —補遺三題—
むすびにかえて —聖海・兼好の周辺—
初出一覧

●著者
牧野和夫(まきの かずお)
実践女子大学名誉教授。延慶本『平家物語』の周辺を中心に中世文学・文化の研究を行う。著書に『中世の説話と学問』(和泉書院、1991 年)、『延慶本『平家物語』の説話と学問』(思文閣出版、2005 年)、『日本中世の説話・書物のネットワーク』(和泉書院、2009 年)などがある。



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