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想像する身体 上巻
身体イメージの変容

安井眞奈美、ローレンス・マルソー編

A5判上製・336ページ
税込4,730円(本体4,300円+税)
 ISBN978-4-653-04631-8【2022年12月刊】

感染症、胎児観、中国医学、境界としての身体、セクシュアリティ、社会と身体、科学技術の発展――人文・社会科学と自然科学の叡智を結集した、国際日本文化研究センター共同研究「身体イメージの想像と展開―医療・美術・民間信仰の狭間で」の成果出版。既存の身体イメージを問い直し、次代を生きる身体の可能性を提示する。

「想像する身体 下巻 身体の未来へ」はこちらから


<目次>
 はじめに――身体イメージの変容を考える  安井眞奈美、ローレンス・マルソー
【第Ⅰ部 感染症を考える】
 1章 疫病の語彙――病因としての「毒」と「虫」  香西豊子
 2章 安政六年京都のコレラ流行と御千度  鈴木則子
 3章 「何より清潔、よく顔を洗へ」――近代日本におけるトラホームについて
       アストギク・ホワニシャン
 4章 植民地支配における感染症対策  財吉拉胡
 コラム 新型コロナ感染予防対策としてのマスク着用と身体イメージ  波平恵美子
【第Ⅱ部 産む身体・産まれる身体】
 1章 妊婦と胎児の身体を可視化する――明治時代初期の錦絵を中心に  安井眞奈美
 2章 死体から生まれた赤子――戯作に見る母と子の身体  板坂則子
 コラム 江戸の乳と生殖・胎児観  沢山美果子
 3章 「もの言う赤子」と予言する身体――鬼子、予言児、件の系譜  今井秀和
 4章 胎児観の変遷――身体と魂をめぐって  鈴木由利子
 インタビュー 産科医療における胎児のイメージ  遠藤誠之、安井眞奈美
【第Ⅲ部 身体を把握する】
 1章 異相と観相と肖像画――『論衡』の受容と男女の相に関連して  相田 満
 2章 生と死の境界――江戸時代鍼灸銅人形における身体観念  姜 姗、稲田健一
 3章 境界としての身体――外邪・妖異と内なる神々の交錯するトポス  越智秀一
 コラム 江戸時代解剖図と絵画表現の境界  木森圭一郎
 4章 芸術と民族学の不協和音
  ――ポール・ジャクレーが描くミクロネシアの人びとの皮膚  桑原牧子
 インタビュー 発生学の立場から妖怪「一つ目小僧」を解明する  高橋淑子、安井眞奈美

 共同研究会一覧・索引・執筆者一覧


●編者   ※所属は2022年刊行時のものです

安井眞奈美(国際日本文化研究センター教授、総合研究大学院大学教授。民俗学、文化人類学)
ローレンス・マルソー(イタリア東方学研究所研究員、立命館大学アート・リサーチセンター客員協力研究員。近世日本文学・文学史)

●執筆者 (50音順)   ※所属は2022年刊行時のものです

相田 満(国文学研究資料館准教授、総合研究大学院大学准教授。説話文学、和漢比較文学)
板坂則子(専修大学名誉教授、国際浮世絵学会常任理事。日本近世文学・文化研究)
稲田健一(鍼灸師。鍼灸の科学化(客観化)以前の、触覚(主観)に依拠した治療体系の研究)
今井秀和(共立女子大学専任講師。日本文学研究、民俗学、比較文化論)
遠藤誠之(大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻教授。産科婦人科学、出生前診断、胎児治療)
越智秀一(前放送大学客員研究員。医学史、心理学史)
木森圭一郎(九州産業大学造形短期大学部特任講師。絵画、芸術諸学)
姜 姗(北京協和医学院人文社会科学学院助理研究員。中日医学文化交流史、中国古典鍼灸文献研究)
桑原牧子(金城学院大学文学部教授。文化人類学)
香西豊子(佛教大学社会学部教授。医学史、医療社会学)
財吉拉胡(中国・内蒙古民族大学教授。文化人類学、医療社会史)
沢山美果子(岡山大学文明動態学研究所客員研究員。日本近世・近代女性史)
鈴木則子(奈良女子大学生活環境学部教授。日本近世史、医療社会史、女性史)
鈴木由利子(宮城学院女子大学非常勤講師。日本民俗学)
高橋淑子(京都大学大学院理学研究科教授。発生生物学、分子生物学)
波平恵美子(お茶の水女子大学名誉教授。文化人類学、医療人類学)
アストギク・ホワニシャン(ロシア・アルメニア大学上級講師、立命館大学生存学研究所客員研究員。日本研究、社会史)

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