柳文抄 〈両足院叢書〉
両足院所蔵 京都大学文学部国語学国文学研究室 編 太田 亨
解説 A5判クロス装・804ページ・函入・付解説
税込16,500円(本体15,000円+税) ISBN978-4-653-04038-5【2010年6月刊】
中国中唐を代表する文人のひとり、柳宗元の詩文に対する解説・注釈書である「柳文抄」。建仁寺両足院に所蔵される「柳文抄」(全六冊)は永禄八年(1565)、林宗二によって書写されたものであり、現存二本しかない「柳文抄」(尊経閣文庫/両足院)のうちの一本である。最終編纂者は不明ながら、禅林を代表する文筆僧たちの注解を含み、散逸資料の引用もある本書は、これまで本格的な調査・報告のなかった「柳文抄」研究における重要資料であり、柳宗元研究の画期的資料でもある。また当時の世相や禅林事情、日本語事情をうかがえる仏教史・日本語研究の資料としても有用である。 建仁寺両足院に所蔵される、抄物の影印シリーズの第三弾として、「柳文抄」(全六冊)を影印、詳細な解説を付して刊行する。
●本書影印写本について 建仁寺両足院蔵『柳文抄』
全六冊。 縦二三・八糎×横二〇・四糎。 題簽に「柳文抄」の書名と巻数を墨書。両足院の朱印有。
各巻の題簽は左記のとおり。 第一冊 柳文抄序一〜六 第二冊 柳文抄七〜十六 (巻十四欠) 第三冊 柳文抄十七〜二十二 第四冊 柳文抄二十三〜二十九 第五冊 巻三十〜三十九 (巻三十九欠) 第六冊 巻四十〜四十三終 (巻四十四、四十五欠)
●本書に挙がる主な文筆僧 夢巌祖応、中巌圓月、義堂周信、無因宗因、雲渓支山、継天寿戩、 岐陽方秀、江西龍派、瑞渓周鳳、伯英徳俊、太白真玄、心華元棣、 子晋明魏、勝剛長柔、天隠龍澤、惟肖得巌、心田清播、蔵海性珍、 慶仲周賀、綿谷周瓞、一庵一麟 ほか
●柳宗元(りゅうそうげん 773〜819/大暦8年〜元和14年) 中国中唐の文学者・政治家。字は子厚(しこう)。本籍地の河東(山西省)から、「柳河東」「河東先生」と呼ばれる。また、その最後の任地にちなみ「柳柳州」と呼ばれることもある。王維や孟浩然らとともに自然詩人として名を馳せた。散文の分野では、韓愈とともに宋代に連なる古文復興運動を実践し、唐宋八大家の一人に数えられる。生前よりその名を知られ、本邦の中世禅林でもその作品は賞玩された。
===両足院叢書 既刊===
毛詩抄(毛詩環翠口義)
正法眼蔵
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