気候変動から読みなおす日本史 全6巻
第3巻 先史・古代の気候と社会変化
中塚 武監修
中塚 武・若林邦彦・樋上 昇編
A5判・上製・本文総310頁
税込3,960円(本体3,600円+税)(残部僅少) ISBN978-4-653-04503-8【2020年10月刊】
―気候変動は、確かに歴史を左右していた―
古気候データと文献史料や考古資料の詳細な対比が生み出す、気候と歴史の関係についての最新成果。新しい歴史学研究の一分野を開く画期的研究。
総合地球環境学研究所(地球研)のプロジェクト『高分解能古気候学と歴史・考古学の連携による気候変動に強い社会システムの探索』にて、過去数千年間にわたる年単位での高精度気候復元の最新の成果をもとに、古気候学・歴史学・考古学が連携し、気候と歴史の関係を解明する。
<主要目次>
第1部 総論 第1章 先史・古代における気候変動の概観(中塚 武)
第2章 先史時代(縄文・弥生・古墳)の年代と時代区分(小林謙一・藤尾慎一郎・松木武彦)
コラム① 炭素14年代法のための日本版較正曲線「J-Cal」と酸素同位体比年輪年代法(坂本 稔・中塚 武)
第3章 水田稲作の伝播-人々の移動と気候変動-弥生早期~中期末(藤尾慎一郎)
第2部 国家の形成と変容
第4章 気候変動と古代国家形成・拡大期の地域社会構造変化の相関―降水量変動と遺跡動態から―(若林邦彦)
第5章 岡山平野における居住高度の通時的推移と気候変動―弥生・古墳時代を対象に―(松木武彦・近藤康久)
コラム② 日本列島の国家形成論(松木武彦)
第6章 日本古代の気象と王権―九世紀後半の全般的危機―(今津勝紀)
第3部 集落と景観
第7章 南西関東縄紋中期後葉から後期前葉における推定人口と気候変動(小林謙一)
コラム③ 集落データ集成と列島古代の地域差(若林邦彦)
第8章 東海地方における弥生~古墳時代の遺跡変遷と気候変動(樋上 昇)
第4部 生産と経済
第9章 弥生時代の水田経営と降水量変動(井上智博)
コラム④ 工具の変遷―石器から鉄器へ―(村上由美子)
第10章 六・七世紀の気象変化と「穀」をめぐる諸問題(生田敦司)
●編者 ※所属は2020年9月末現在
中塚 武(名古屋大学大学院教授/古気候学・同位体地球化学)
若林邦彦(同志社大学歴史資料館教授/考古学(弥生~古墳時代))
樋上 昇(公益財団法人愛知県教育・スポーツ振興財団 愛知県埋蔵文化財センター主任専門員/弥生時代~古代の出土木製品)
●執筆者
※所属は2020年9月末現在
生田敦司(龍谷大学非常勤講師/日本古代史)
井上智博(公益財団法人大阪府文化財センター主査/考古学)
今津勝紀(岡山大学大学院教授/日本古代史)
小林謙一(中央大学教授/先史考古学)
近藤康久(総合地球環境学研究所准教授/考古学・地理情報学・オープンサイエンス論)
坂本 稔(国立歴史民俗博物館/総合研究大学院大学教授/文化財科学)
藤尾慎一郎(国立歴史民俗博物館教授/先史考古学)
松木武彦(国立歴史民俗博物館教授/日本考古学)
村上由美子(京都大学総合博物館准教授/考古学・植生史学)
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