病悩と治療 王朝貴族の実相
王朝時代の実像3
瀬戸まゆみ著
四六判・上製・240頁
税込3,630円(本体3,300円+税) ISBN978-4-653-04703-2【2022年1月刊】
― 澤田瞳子氏・古瀬奈津子氏・井上章一氏推薦 好評シリーズ ― 科学と呪術・宗教のあいだで、当時の医療はいかに行われていたのか。文学作品と古記録の記述を比較・分析し、医師による投薬や外的処置などの物質的な治療と、密教僧や陰陽師による宗教的な施術とが両立していた、王朝貴族たちの医療文化の実態に迫る。
<主な目次>
第一章 王朝貴族の投薬と外的治療
第一節 王朝貴族の投薬
Ⅰ.医師の処方
Ⅱ.陰陽師の診断
Ⅲ.薬の効能
Ⅳ.薬の使用実態
第二節 王朝貴族の外的治療
Ⅰ.治療を施した者
Ⅱ.複数の治療提案
Ⅲ.治療に使用された薬
Ⅳ.治療の種類
第二章 王朝貴族の病悩 ~文学作品と古記録の比較~
Ⅰ.風病
Ⅱ.寸白
Ⅲ.飲水病
Ⅳ.もののけ
Ⅴ.二禁
Ⅵ.晄腫
Ⅶ.瘧病
Ⅷ.霍乱
Ⅸ.腹病
Ⅹ.胸病
第三章 王朝貴族の宗教的治療
第一節 加持祈祷と修法
Ⅰ.古記録に記された僧の役割
Ⅱ.古記録に記された記述の多い僧
第二節 陰陽師の施術
Ⅰ.古記録にみえる陰陽師
Ⅱ.疾病に関わる陰陽師
Ⅲ.陰陽師の診断
Ⅳ.複数の陰陽師
Ⅴ.鬼気祭
第三節 王朝貴族の宗教的治療
Ⅰ.治療における仏教の役割
Ⅱ.貴族の治療判断
おわりに/註/主要参考文献/巻末付図/あとがき
●著者 ※所属は2022年刊行時のものです
瀬戸まゆみ(せと まゆみ) 国際日本文化研究センター研究補助員。駒沢女子大学人文学部日本文化学科卒業。駒沢女子大学大学院人文科学研究科仏教文化専攻修士課程修了。群馬県藤岡市教育委員会文化財保護課嘱託職員を経て、現在埼玉県内の大学図書館に勤務。
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