看聞日記紙背 和漢聯句譯注 ―「応永二十五年十一月二十五日和漢聯句」を読む―
京都大学
国文学研究室・中国文学研究室 編
四六判上製・256ページ 税込3,520円(本体3,200円+税) ISBN978-4-653-04077-4【2011年2月刊】
中世の日記史料として名高い、伏見宮貞成親王の日記『看聞日記』の紙背には数多くの連歌作品が残されている。本書はそのうち百句が完備する応永二十五年(1418)十一月二十五日に制作された和漢聯句を翻刻・訳注し、解説を加えたもの。 和漢聯句は五七五と七七の和句に、適宜五言の漢句を交えながら展開してゆく付合文芸の一種。室町時代から江戸時代前期にかけて大いに盛行し、公家・禅林・武家などの間で愛好されたが、現存する作品はかならずしも多くなく、特に、応永期は連歌の作例そのものが少ない。 本百韻は現存する和漢聯句としては四番目に古く、また連歌としても、現存資料の乏しい応永期間の作風をうかがうことのできる貴重資料であり、また、室町中期の政界に重要な位置を占めた貞成親王と近臣たちの交流を知る上での重要資料でもある。 和歌、連歌、俳諧、あるいはまた漢文学、中国文学、中世文化史や政治史などの諸分野にわたって、ひろく有益な一冊。
【作者(連衆)】 伏見宮貞成親王、椎野寺主、用健周乾、松崖洪蔭、綾小路信俊、庭田重有、田向長資、仲寿、善基、周郷、行光
【底本】 宮内庁書陵部蔵『看聞日記』巻二紙背(口絵として影印を収録)
【収録内容・注釈担当者】 口絵(宮内庁書陵部蔵『看聞日記』巻二紙背)/翻刻/連衆紹介/注釈/式目表/解説「伏見宮と和漢聯句」(中村健史)
大谷雅夫 (京都大学教授) 川合康三 (京都大学教授) 金光桂子 (京都大学准教授) 緑川秀樹 (京都大学准教授) 大谷俊太 (奈良女子大学教授) 愛甲弘志 (京都女子大学教授) 深沢眞二 (和光大学教授) 伊藤伸江 (愛知県立大学教授) 福井辰彦 (立命館大学講師) 楊 昆鵬 (日本学術振興会研究員) 竹島一希 (京都大学非常勤講師) 好川 聡 (京都大学非常勤講師) 伊崎孝幸 (京都大学非常勤講師) 中村健史 (京都大学非常勤講師) 稲垣裕史 (京都大学大学院博士後期過程) 二宮美那子(京都大学大学院博士後期過程) 畑中さやか(奈良女子大学大学院博士後期課程) 本多潤子 (立命館大学大学院博士後期課程) *所属は2011年3月現在のもの
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