ビジュアル文化シリーズ
背景:「北斎漫画」より雀踊り図

 

視覚とマンガ表現 ―科学とマンガのナベ〈鍋?〉ゲーション
牧野圭一/上島豊 共著 ■四六判上製・232頁 本体2,000円+税 発売中 ISBN 978-4-653-04012-5

「私にはこう見えるんだもの!」── 感覚をダイレクトに表現するマンガ家の目には、モノがどのように見えているのか? 色の見え方やパラパラマンガが動いて見える現象など、視覚にまつわる様々な不思議を通して、マンガ家と物理学者が「リアルな表現」の謎に迫る意欲作!

*「ナベゲーション」とは?
古今東西、あらゆるものが重層的に連続して積み重なって作られた「マンガ文化」を、さまざまな食材を投げこんでひとつの味を出していく「鍋物文化」にたとえ、「水先案内」を意味する「navigate」とかけた造語。

●牧野圭一(まきの・けいいち)/京都精華大学マンガ学部教授・一こまマンガ作家 『マンガをもっと読みなさい』(養老孟司氏との共著・晃洋書房・2005)
●上島 豊 (うえしま・ゆたか)/有限会社キャトルアイ・サイエンス代表取締役 大阪大学大学院工学研究科博士課程修了工学博士

【目次】
第一章 人間の目にはモノがどのように見えているのか
 1.光と色の不思議な関係
 2.人間の目には、何が見えているのか?
 3.視覚には、個人差がある!?
第二章 マンガ家の目にはモノがどのように見えているのか
 1.マンガ家はどのようにモノを見ているのか?
 2.マンガの「表現」とはどのようなものか?
 3.「マンガ表現の本質」とは?
 

メディアの中のマンガ 

メディアのなかのマンガ 新聞1コママンガの世界
茨木正治 著 ■四六判上製・250頁 品 切 ISBN 978-4-653-04011-8

情報が氾濫する現代において、新聞一コママンガ(=カートゥーン)が持つ意義とは? ――社会の世相を反映してきた政治漫画、特に郵政民営化で話題となった国政選挙を題材にした作品を多数取り上げ、一コマに凝縮された世界を一作品ごとに読み解いてゆく。また、中世ヨーロッパにおける風刺画から最近の日本の政治漫画にいたるまでの新聞漫画の歴史とカートゥーン研究史についても概観する。

●茨木正治(いばらぎ・まさはる)/東京情報大学総合情報学部准教授政治学博士 新聞漫画・記事の分析を、主な研究テーマとする。『「政治漫画」の政治分析』(芦書房・1997)

【目次】
I 章 序論
II 章 新聞漫画の歴史
III 章 カートゥーン研究の流れ
IV 章 事例研究 ─第44回衆議院選挙における政治漫画の分析─
V 章 結論と課題
 

 

北山清太郎 

日本初のアニメーション作家 北山清太郎
津堅信之 著 
■四六判上製・288頁 本体2,400円+税 発売中 ISBN 978-4-653-04020-0

大正の日本アニメ創成期を切り開いた北山清太郎。初期は〈日本洋画協会〉を結成し、岸田劉生らを支援するなど、美術界で盛んに活動するが、当時海外から輸入され始めたアニメーションに心を奪われ、手探りでアニメ制作に乗り出す。教本も何もなかった時代の、彼のアニメーション制作の試行錯誤とその功績を、本人の回想録や関係者・遺族の証言に基づいて検証。日本の「元祖・動画作家」の軌跡をたどる初の研究書。

●津堅信之(つがた・のぶゆき)/アニメーション史研究家。京都精華大学マンガ学部アニメーション学科特任講師。『アニメ作家としての手塚治虫』(NTT出版)

【目次】
序章 アニメ大国の夜明け
第1章 北山清太郎と日本洋画協会
第2章 日本初のアニメーション作家
第3章 北山映画製作所
第4章 多芸な「技術者」
第5章 北山清太郎の業績
終章 駆け抜けたパイオニア
付)アルバム・北山清太郎年譜

 

横井福次郎

戦後漫画のトップランナー 横井福次郎
―手塚治虫もひれ伏した天才漫画家の軌跡
清水勲 著 
■四六判上製・244頁 本体2,700円+税 発売中 ISBN 978-4-653-04015-6

昭和21〜23年(1946-48)にかけて、「ふしぎな国のプッチャー」や「冒険ターザン」、「オオ!市民諸君」などの作品を次々と発表し、戦後まもない日本人の心を魅了した横井福次郎。手塚治虫に影響を与えるなど、漫画史上重要な足跡を残しながらも、短い活躍期間でその生涯を閉じたために、現代では顧みられることが少ない。本書では、多数の図版を交えて横井の軌跡をたどり、その魅力溢れる創造世界を探訪する。

【 目次 】
口絵 「ふしぎな国のプッチャー」「冒険ターザン」
    「ボックリ坊やの冒険」「オオ!市民諸君」(全てカラー)
はしがき
一章 プッチャーとターザン ―― 手塚に影響を与えた作品
二章 子ども漫画の開拓者 ―― その描線とストーリーの魅力
三章 大衆漫画の開拓者 ―― そのキャラクターの魅力
四章 戦前・戦中・戦後社会の記録者 ―― カートゥーン・コマ漫画・文章
五章 横井福次郎の生涯
付録 年譜・参考文献

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アニメーションとライフサイクルの心理学
横田正夫 著 ■四六判上製・278頁 本体2,600円+税 発売中 ISBN 978-4-653-04022-4

アニメーションを心理学的に分析すると…? チェコの人形アニメ作家「イジー・トルンカ」、彼に師事した「川本喜八郎」、そしてテレビアニメ版「ゲゲゲの鬼太郎」を分析対象として取り上げ、『ライフサイクル』の概念を手がかりに、作り手の心の問題とアニメーション作品の相関を読み解いていく。

【 目次 】
第1章 アニメーションの心理学
第2章 イジー・トルンカのアニメーション
第3章 川本喜八郎の「犬儒戯画」と「死者の書」
第4章 「ゲゲゲの鬼太郎」のライフサイクル
第5章 終わりに

〈ライフサイクル〉とは……発達心理学者エリクソン(1902-1994)が提唱。人間の一生を8つの発達段階(乳児期・幼児期・児童期・学童期・青年期・成人期・壮年期・老年期)に分け、各段階に解決すべき課題があるとする。

●横田正夫(よこた・まさお)/日本大学文理学部心理学科教授。日本アニメーション学会会長

マンガのなかの〈他者〉

 

 

 

 

 

 

アニメーションの映画学

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日韓アニメーションの心理分析

 

 

 

 

マンガとミュージアムが出会うとき

 

 

 

 

セクシュアリティの表象と身体

 

 

 

 

シネマとジェンダー -アメリカ映画の性と戦争

マンガのなかの〈他者〉
伊藤公雄ほか 編 
■四六判上製・232頁 本体2,400円+税 発売中 ISBN 978-4-653-04014-9

マンガには社会のさまざまな側面が映し出されている。と同時に、マンガは人々の意識やものの見方に深い影響を与えてもいる。本書は、マンガに映し出された〈他者〉イメージを分析することを通じて、「日本文化の特徴」や「歴史的な変容」を日本とヨーロッパの研究者が共同で、比較文化論や言語論、身体論やジェンダー論の視点から考察することにより、ビジュアル文化研究に新たな視座を投げかける一冊。

【 目次 】
第1章 日本マンガにおける異人ことば (金水 敏)
第2章 歴史表象としての視覚的「日本人像」 (吉村和真)  
第3章 『ドラゴンボール』と出会った韓国 −暴力的で扇情的な〈他者〉としてのマンガ (山中千恵)
第4章 日本のマンガにおける他者との遭遇 (梁 仁實)
第5章 戦後少年マンガのなかの「敵」イメージをめぐって (伊藤公雄)
第6章 「他者」としての「ヒットラー」 −『アドルフに告ぐ』とドイツ語楽メディアにおけるヒットラー像の諸相
                                                        
 (ベティーナ・ギルデンハルト)
●伊藤公雄(いとう・きみお)/京都大学大学院文学研究科教授
●金水 敏(きんすい・さとし)/大阪大学大学院文学研究科教授
●吉村和真(よしむら・かずま)/京都精華大学マンガ学部教授
●山中千恵(やまもと・ちえ)/仁愛大学人間学部講師
●梁 仁實(やん・いんしる)/大阪市立大学都市文化研究センター特別研究員
●ベティーナ・ギルデンハルト/同志社大学言語文化教育研究センター准教授

 

アニメーションの映画学
加藤幹郎 編 ■四六判上製・320頁 品 切 ISBN 978-4-653-04024-8

ミッキー・マウスは一秒間に何回表情を変えるか? アニメーションにおける流動的な動きのもつ意味は? 映画研究の第一人者である編者のもとに、アニメーション研究の精鋭たちが結集。ディズニー・アニメから鉄腕アトム、エヴァンゲリオンに至るまで、古今のアニメーション作品に触れながら、その特有の表現方法や物語構造の分析を通してアニメーションの面白さの秘密に迫る。

【 目次 】
第1章 〈原型質〉の吸引力 (今井隆介)
第2章 柔らかな世界 (土居伸彰)  
第3章 風景の実存 (加藤幹郎)
第4章 複数形で見ること (横濱雄二)
第5章 ミッキー・マウスの息吹を計ること (バリー・ソルト)
第6章 セレクティブ・アニメーションという概念技法 (顔 暁暉)

●加藤幹郎(かとう・みきろう)/京都大学大学院人間・環境学研究科教授
●今井隆介(いまい・りゅうすけ)/花園大学文学部創造表現学科専任講師
●土居伸彰(どい・のぶあき)/日本学術振興会特別研究員
●横濱雄二(よこはま・ゆうじ)/北海道大学大学院文学研究科博士後期課程
●バリー・ソルト/ロンドン・フィルム・スクール、ターム・チューター
●顔 暁暉(がん・しょうふい)/日本学術振興会外国人特別研究員

 

日韓アニメーションの心理分析 ―出会い・交わり・閉じこもり
横田正夫 著 ■四六判上製・280頁 本体2,700円+税 発売中 ISBN 978-4-653-04023-1

日本のアニメは「閉じこもり」!?
アニメーションに描かれた人間関係の3つの要素「出会い」「交わり」「閉じこもり」に着目し、日韓の作品を比較分析。韓国のものと比べて、一見自閉的傾向を示す日本のアニメーションが、世界で受けているのはなぜか? 統合失調症患者の描画療法から得られた知見も交え、日本人の心的特性を浮き彫りにする。臨床心理士の著者による刺激的なアニメーション研究。

【 目次 】
第1章 分身の心理学
第2章 閉じこもりのアニメーション  
第3章 交わりのアニメーション
第4章 日本のアニメーションと韓国のアニメーション
第5章 日本の女性作家たち
終りに 閉じこもりの力

●横田正夫(よこた・まさお)/日本大学文理学部心理学科教授

 

マンガとミュージアムが出会うとき
表 智之・金澤 韻・村田麻里子 共著 ■四六判上製・256
頁 本体2,600+税 発売中 ISBN 978-4-653-04017-0

近年、コンテンツ政策の推進とともにマンガとその周辺文化が博物館・美術館で紹介される機会が増えている。本書は、ミュージアム空間に置きなおすことで明らかになるメディアとしてのマンガの性質や、マンガを取り入れることで拓かれるミュージアムの新たな可能性について、マンガ学・美術・博物館学の視点から考察する。また、巻末コラムでは現場で展示に携わる人々より、マンガ展示の多彩な魅力を紹介する。

【 目次 】
第1章 マンガはなぜミュージアムを必要としたか
第2章 マンガと美術館  
第3章 ミュージアムにマンガがやってきた!

●表 智之(おもて・ともゆき)/北九州市マンガミュージアム専門研究員
●金澤 韻(かなざわ・こだま)/川崎市市民ミュージアム学芸員
●村田麻里子(むらた・まりこ)/関西大学社会学部准教授

 

セクシュアリティの表象と身体
川村邦光 編 ■四六判上製・272
頁 本体2,700円+税 発売中 ISBN 978-4-653-04019-4

近現代の大衆文化にみられる日本人の〈性〉とは?
 本書では、セクシュアルでエロティックな生人形・海女写真・宝塚男役・ゴスロリ等の視覚文化を題材に、日本人が性や身体に寄せた関心と、それが近代化・西欧化に伴い、どのように変容してきたかを考察。〈性〉をキィワードに時代・メディアを横断する、画期的なポピュラーカルチャー研究。

【 目次 】
第1章 生人形とセクシュアリティの変容 −「色」の展開とその受容―
第2章 変態するナオミ ―モダンガールの身体とセクシュアリティ―
第3章 誰がために海女は濡れる ―日本海女写真史略―
第4章 〈誤認〉する男 ―宝塚歌劇『琥珀色の雨にぬれて』とホモソーシャルな三角形の中の女性―
第5章 ゴスロリはセクシュアルなまなざしとどう戦うか
第6章 海外BDSM界における<日本>イメージ 
―快楽の活用とジェンダー―

●川村邦光(かわむら・くにみつ)/大阪大学大学院文学研究科教授

 

シネマとジェンダー ─ アメリカ映画の性と戦争─
塚田幸光 著 ■四六判上製・274
頁 本体2,800円+税 重版出来 ISBN 978-4-653-04060-6

不能のカウボーイや、過剰に体を鍛える男性。或いは戦闘的な女性や、逆に非常に〈女らしい〉女性─ アメリカ映画のなかの「性」の描きかたにはどのような意味があるのだろうか。「ジェンダー」「セクシュアリティ」という視座に立ち、第二次大戦、ヴェトナム戦争から9・11期にいたる映像表象の変遷を考察。その深層にひそむアメリカ文化の構造を明らかにする。

【 目次 】
第0章 映画の性/政治学
第1章 反転する視座  ジャンル、ジェンダー、『レベッカ』
第2章 フレーミング・ジェンダー  戦争、メロドラマ、フィルム・ノワール
第3章 カウボーイ戦域/劇場(シアター)  ニューシネマ、ヴェトナム、『真夜中のカーボーイ』
第4章 両足のない「身体」  ランボー、ジョーカー、「犠牲者」、ナラティヴ
第5章 皮膚とジェンダー  
『羊たちの沈黙』の性/政治学

●塚田幸光(つかだ・ゆきひろ)/関西学院大学法学部准教授・日本映画学会理事


 

マンガの教科書

 

《ビジュアル文化シリーズ 関連書籍》

マンガの教科書 ―マンガの歴史がわかる60話

吉村和真 編著/清水勲・内記稔夫・秋田孝宏 著
■四六判並製・224頁 本体2,000円+税 重版出来 ISBN 978-4-653-04016-3

京都新聞連載コラム『マンガ50話』(2006年3月〜2007年5月)に、新稿を加えて単行本化。今や現代人の生活に欠かせないマンガの歩みを、板本、雑誌、新聞、貸本、TV等、時代を映すメディアとのかかわりからわかりやすく紹介する。マンガ資料の保存・研究の重要性や、地方のマンガ文化にも触れられている、現代マンガのガイドブック。

マンガジャンル・スタディーズ

 

《ビジュアル文化シリーズ 関連書籍》

マンガジャンル・スタディーズ

茨木正治 編
■四六判並製・総304頁(図版45点) 本体1,900円+税 発売中 ISBN 978-4-653-04196-2

日本マンガ学界カトゥーン部会設立以来10年間の研究成果を書籍化。歴史学・社会学・マスコミュニケーション論・テクスト分析など、人文・社会科学のあらゆる叡知を駆使し、カートゥーン(一コママンガ)とコミック(数ページにわたるマンガ作品)の特質とその関係性を、具体的な作品を挙げながら横断的に考察。 表面的な「マンガ史」では見えてこない、マンガというジャンルの奥深さに迫る。



 

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